〔021〕安達太良山 (1,700m)
標高差:570m

2007年08月15日(当時58歳)


雑感
  前回と違う道を歩きたいとの思いで沼尻からの登山道を歩いてみたが、
景観の凄さで本当に感激の連続だったし、楽しく楽に歩くことが
出来た。 奥岳からR・Wを使って登るより、沼尻からのコースの方がお勧めです。 但し、天気の悪い日は危険な箇所がありますのでお気を付け遊ばせ。
今日の温泉
  林道入口にスキーロッジ、民宿が数件あり、どこも500円で日帰り入浴が可能だ。 小綺麗な”沼尻国際リゾートホテル”に立ち寄ってみたが、日帰り入浴は14:00からであり、隣りの小汚い”岩瀬屋”に入る。
飯豊山登山口、川入に移動
  道中で食事をし、3時には飯豊山の登山口である川入に入ることが出来たが早く着き過ぎて暇を持て余す。
日本百名山に戻る
 東北の滝に戻る

福島県猪苗代町大字蚕養

安達太良山リベンジ
  2005年の4月に登頂はしているが、強烈な風とガスで山頂では吹き飛ばされそうになり、下山時はホワイトアウトで道を見失い、雪原をさ迷ったものである。 山頂からの景観を見たく、又、道を間違った位置を確認したく再度、登頂しようと思っていた。 当初は前回とまったく同じルートをトレースしようと思っていたが、あまり面白いコースでなかったので、反対側(西側)の沼尻から登ってみることにした。
飯豊山への作戦
  時間の掛かる日帰り登山は、これまで体力のある1日目としていたが、移動による睡眠不足で辛い思いをしている。 飯豊山を2日目とし、早くから登山口に入り充分な睡眠を取ってロング
コースに挑む予定。

前日の
移動

  11時半に自宅を出発し、晩飯以外は休息無しで11時間走り抜き、磐梯SAで仮眠する。
0時を回ってから高速道を降りて、深夜の1時30分に登山口である沼尻スキー場の駐車場に
着く。 天ノ川が綺麗に見えていた。

深田久弥著の「日本百名山」から
  地図の上では、その一連の峰に、箕ノ輪山、鉄山、矢筈ノ森、和尚山などの名が付され、
その中央に乳首のような円錐峰が安達太良山となっている。(略)しかし万葉集や智恵子が
安達太良山と見たのは、その小さな乳首だけでなしに、その全体を指してのこどだろう。
Road Map :阪神高速〜名神〜中央道〜長野道〜北陸道〜磐越道をシームレスに走り、磐梯高原
            ICで降りる。
中央道を走ったのはアルプスの山々を見たかったからであるが、
            山頂はガスで見えなかった。
Route Map:沼尻の登山口から沼ノ平を左廻りで一周する様に登る。
東北の滝 』 
日本百名山』   終始展望の良い圧倒的に面白いコースだった。
登山口 滝見台 障子岩 船明神山 分岐 安達太良山
5:41 −−− 7:39 −−− 8:05 8:21
安達太良山 鉄山 鉄山避難小屋 胎内岩 湯の花採集場 登山口
8:30 9:10 9:25 10:22 11:04 11:44
下り:3時間23分
登り:2時間40分
トータル:6時間03分
白糸ノ滝を見たくて左側の登山口を入りたかったが、進入禁止の
看板があり、行けぬことは無いだろうと思いながらも、確実な
右の登山口から登り始める。
沼尻スキー場林道終点の広い駐車場。写真は下山時のものであるが、
朝は2台しか来ていなかった。 駐車場にはトイレは無い。
滝壷まで行ってみたかったが道は見付からなかった。
少し登ると眼下に ”白糸ノ滝”が見えてきた。
落差60m、流れ落ちる滝の水は湯の華を取る
硫黄川からで温泉水らしい。
登山道は最初を登ってしまえば比較的穏やかな斜面が続くが樹木が生茂り展望はほとんど無い。気温は高くないが風が通らずやけに蒸し暑い。
これも始めて見る花で、同じくネットで調べて見ると
”ネズミモチ”の花名が出て来た。
展望の開けた所に出ると遥か下に”湯の華”採石場の異様な光景が
見えた。 左側の登山道を入ればここを歩けた様であるが、どこが
通行止めなのかが判らない。 下りは是非、歩いてみたい。 作業小屋
とか採石場がはっきり見えるが、今は作業していない様だ。
硫黄川の谷底には一本の道がはっきり見えている。
振返ると ”磐梯山”(1,819m)が朝もやの中、聳えていた。
猫魔八方台から登った時は穏やかな山に感じたが、ここから
見ると険しい山に見えた。
やっと ”沼ノ平”が見えてきた。
朝陽で逆光気味であるが、これまで見たことのない異様な景観だ。
硫黄川の向こうには ”吾妻山”(2,035m)が見えていたが
取り留めの無い山ばかりで感激はまったく無し。
ここまで来ると風が吹き抜け若干涼しくなってくた。
大展望の ”障子岩”を歩いた後は、エッジが鋭過ぎるのか
トラバース路が設けられていた。
ここは低潅木だけなので展望は失われなかった。
登りながら見上げている時は ”障子岩”の上に登れるとは
思わなかったが、今、岩峰の一郭に立っている。 前の岩からは
オーバーハングの落ち込みで際に立つのも怖い感じだ。
正面に見えてきた ”船明神山”の岩壁。 正面突破をするのではなく、
右から大きく迂回して裏側に廻る様に登るようだ。
今、歩いて来た ”障子岩”を振返り見る。 手前は単なる水溜りか?
”船明神山”から ”沼ノ平”の全容を見る。 外周を歩いているので、この景色が刻々と変化し
飽きない景観が続き、寂しく一人で感激に浸る。(本当に感激した)
ここが ”船明神山”の山頂と思うがはっきりしない。
これから歩くナイフエッジを見る。 落込みは凄いが片側は
しっかりしていたので、大山の様な恐怖感がある尾根では無かった。
2時間24分にて ”登山道分岐”に着き、安達太良山を見る。
ここから見る山容は乳首山には見えない。
ここを登ってくるお年寄りの方は安達太良山を ”乳頭山”(ちくびやま) と呼んでいた。
”船明神山”を下り、分岐点まで緩やかに登ってゆく。
どこを見ても凄い景観が続き、時間のカウントをほとんど忘れていた。
2時間40分にて ”安達太良山”(1、700m)の山頂に着く。
まだR・Wは動いていない時間なので、ハイカーはほとんど居ない
静かな山頂であった。 展望はすこぶる良いが前回登った
奥岳方向には大したものは何も無かった。
乳首の下の山頂標識に着く。 前回はここで強風に飛ばされそうになり、
標識を撮るのだけが精一杯で山頂までは登れなかった。
”安達太良山”の山頂を下り ”鉄山”方向への尾根道に入り ”沼ノ平”を見る。
こんな殺風景な景観を嫌いな人も居るだろうが、実際に見ると感激しますよ。
”沼ノ平”を挟んだ両側の岩峰を歩けるなんて最高だった。
馬ノ背から眼下に ”くろがね小屋”が見えた。
ここから ”くろがね小屋”に下りる道は通行禁止になっていた。
分岐点から ”鉄山”に通じる ”馬ノ背”を見る。

1997年9月15日火山ガス事故
  安達太良山沼ノ平火口を登山中の登山者4名が倒れるという事故が発生しています。 午後2時前,救助隊に
より死亡が確認されました。 沼ノ平では昨年から泥水の噴出と噴気活動の活発化が観測されています。
噴気孔からは有毒な火山ガスが噴出しており,気象条件によっては立ち入りは危険です。
なお,火山観測情報(9月15日)によれば,火山性地震の発生回数などに特に変化はありません。

3時間29分にて ”鉄山”(1,709m)に着く。
ここからの展望は良いが尾根筋の一端にしか感じなかった。
馬ノ背より鉄山を見る。 仲良しジジーが4人が
下りて来たので周辺の山に付いて教えてもらう。
避難小屋の中は何も無いがきれいに掃除されていた。
3時間44分にて ”鉄山避難小屋”に着く。 展望は良いが水場は無いようだ。 奥に見えているのは穏やかな山容の ”箕輪山”(1,728m)。
登り時とは反対方向から ”沼ノ平”を見る。
ここからの落込みもすごく迫力満点の景観が続く。
逆光気味だったのが残念。
今日はモデルさんが同行して居ないのでザックに代わりを勤めてもらう。 左写真の先端であり、ザックの先は強烈な落込みになっていた。
下山方向を見る。
この後、このテーブルトップの上に立つことになる。
4時間41分 ”胎内岩”に着く。 上から入口を見ると、通れるのか
と思ってしまう程、入口は狭い。 ”フタに点々”の人は通り抜けるの
が難しいかも。 ザックを背負っては通れない。
出口側を見る。 ここを通らないとロッククライミングをしなければ
ならない。 モデルが居ないと写真には成らないし、三脚を立てる
ほど粋狂でもないし、又もやザックで代用する。
下り途中から ”硫黄川”への急斜面を見る。
ザレ場であり滑り易かった。
”硫黄川”まで下りてみると毒々しい水が流れており
近寄り難い。 沢水を触る気にもなれず水温は判らない。
上の登山道から見えていた ”湯の華採集場”の作業小屋に着く。
全て廃墟であり、有毒ガスの発生で閉鎖されたのか。
きれいな滑滝があったが、水が水だけに沢に下りる気がしない。
実は温泉かも知れないので下りてみれば良かったかな。
至る所に ”有毒ガス、立入禁”の注意書きがある。
硫黄臭が強く温泉の雰囲気がある。 以前はここで温泉に入れたらしい。
今でも作業をしているように見えた湯の華採集設備であるが、
近くで見るとぼろぼろだった。
小屋の横に ”湯の華”が山積みにしてあった。
”硫黄川”には露天風呂の様な天然プールがあり、
温泉として入れそうな感じがした。(有毒ガスが危ないか)
下山路から目の前に落差約60mの ”白糸ノ滝”を見ることが出来た。
結局、通行止めになっている箇所は無く、用の済んだ看板は撤去して欲しい思いだ。
駐車場からここまで近いので滝だけを見に来る人も多いようだ。
前回のホワイトアウトで何も見えず、道間違いから迷走したルートを検証してみる。
馬ノ背より ”沼ノ平”を見る。
あだたらやま
始めて見る花でネットで調べて見ると
”シモバシラ”によく似ていた。
ナイフリッジから見た ”沼ノ平”はグランドの様にまっ平に見えた。
登山道分岐から歩いて来た道を振り返り見る。
奥岳コースからは想像出来なかったダイナミックな展望が広がっていた。
ここから見る ”安達太良山”の山頂は ”乳首”がでか過ぎた。
”安達太良山”の山頂にはR・Wに乗らずに自力で
登って来たと思われる若者3名が寛いでいた。
白糸ノ滝(落差60m)
遠望出来た ”湯の花”採石場を拡大するとこんな感じ!
”障子岩”から登って来た登山道を振り返り見る。
前回はホワイトアウトでまったく見ることが出来なかった ”安達太良山”から
続く ”鉄山”への尾根筋。 何も見えなかったので、手前の登山道を
下山してしまった。
ホワイトアウトの中、何も見えないので下り道を優先して
しまったのが、道間違いの元になってしまった。
谷筋に入ると道間違いに気付き出し、この先に大きな滝で下れなくなるのも予想で来た。
正解は道間違いを気付いた時点で引返すべきであったが、引返しても正規の登山道が判らない。
”鉄山”の登りに差し掛かって振り返り、歩いて来た ”馬ノ背”を見る。
”安達太良山”は随分遠くになってしまった。
”胎内岩”の周辺は退屈しないロックガーディンとなっていた。
ペイントマーカーが無いと迷子になってしまいそうだ。
”胎内岩”のある岩壁の上に小さくハイカーの姿が見えていた。
凄い所を下って来たものだ。
”硫黄川”へ下って行くに従い、殺伐とした風景になって来た。
対岸には登り時に通った ”船明神山”の岩山が見えていた。
”硫黄川”の河原付近まで下りて来て振り返り岩峰を見る。
時々、大きなマットを背負った若者とすれ違うことになった。
小屋泊り用のマットかと思ったが、ボルダリング用のクッション
だったことが後に判る。
薄黄色いガスが毒々しく、近寄りたくなかった。
危険個所には近寄らないのが防御策だろう。
2023年10月28改定