〔084〕赤石岳 (3,120m)

標高差:1,997m

2007年08月08日〜10日(当時58歳)


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静岡県静岡市葵区
千枚小屋 千枚岳 悪沢岳 中岳 前岳 荒川小屋 大聖寺平 小赤石小屋 分岐 赤石岳 分岐 富士見平 赤石小屋
5:20 6:01 7:33 8:45 9:01 10:03 11:50 12:11 12:43 12:59 13:31 15:03 15:29

〔083〕悪沢岳 (3,141m)

標高差:2,018m
2日目 千枚小屋〜赤石小屋(10時間09分)
悪沢岳(東岳)
赤石岳
千枚小屋
  トイレは小屋の外にあり、夜中にトイレに行くのは邪魔臭いが薬師沢小屋の様に部屋にトイレの悪臭が充満する
ことなく大歓迎である。 トイレ自体も悪臭を放つことはなかったが、使用済みトイレットペーパーを別箱に入れる
のは少し抵抗があった。 夕飯に続き朝飯もお粗末であったが、自分にとっての朝飯は梅干と海苔があれば食えるので、
まぁいいかの感じで終わる。
今日の山歩き
  昨日は展望のまったく利かない登りを6時間歩いたが、今日は終始大展望の道であり、やはり山歩きは高山帯に限ると改めて思い直した。
赤石小屋
  3時30分過ぎの受付なので屋根裏部屋に寝ることになったが、天気の良さでトタン屋根が焼けてしまい、部屋は高温となり居れたものではない。 日が蔭るまで外でくつろぐが、外も日陰がなく暑かった。
夜は盛上がり過ぎて怒られる
  夕食後、涼しくなった部屋で山談議が始まり、あの山、この山が日帰り出来ないとの話題になった。 その山は全て日帰りしたと話し出すと主役になってしまい調子に乗ってしまう。 声の大きなおっさんが居て、下の階から「寝かせて下さいー!」と叫んで来た。 そのおっさんとハモル様に「どうぞー!」と言ってしまった。 まだ8時前なので、寝たい奴に文句を言われる筋合いは無いが、でも、もう少し静かにしよう。
日の出を待つ人達。 山小屋の朝は早く、年寄りも朝が早い。
今日も天気は良さそうだ。
夜明け前の ”富士山”。
朝焼けに浮かぶ富士山のシルエットが見事だった。
尾根を超えると目の前に南アルプスの大展望が広がった。
ここからは各名山を見ながらの歩きとなる。 赤石岳はまだ随分遠い。
40分程登ると ”千枚岳”(2,880m)に着いた。
高山帯に抜けているのでどこからも展望は良く、北、中央、
南アルプスのほとんどの有名山を見ることが出来た。
朝の気温は12℃、比較的高い様に思う。
千枚小屋附近から始まるお花畑は少し終盤を迎えている花もあるが、大半が今が盛りの様で綺麗に咲き乱れている。 (クリックで少し拡大します)
岩に咲くイワギキョウ
マツムシソウ
シロバナタカネビランジ
イワオウギ
タカネナデシコ
その場所で見られたお花を掲載しています。花種はこの限りではなく、もっと沢山咲いていた。
千枚岳からの下りは岩峰となり、昨日の樹林帯歩き
から打って変って面白くなってくる。
周辺にはお花が一杯咲いていた。
”千枚岳”から ”悪沢岳”を見る。 右のピークは ”丸山”(3,032m)。
イブキジャコウソウ
シコタンソウ
タカネシオガマ
周辺にはお花が点在しており足が進まない。
高山植物は土のほとんど無い箇所に多く生えている様な気がする。
土の少ない所で育つ生命力が雑草に負けずに生き残ったのか。
悪沢岳へは岩峰の登りが続く。
先行している2人は花名の先生をして頂いた群馬からの御夫婦。
特に奥さんはお花に詳しく、沢山教えてもらったが沢山忘れてしまった。(-_-;)
悪沢岳への登り途中で振返ると昨日登って来た
尾根筋と ”笊ヶ岳”の双耳峰が見えた。
シコタンソウの群生
背後にはいつも ”富士山が”見えているが雪の冠がない ”富士山”は
どす黒く綺麗な感じが薄い。(見えているだけで満足であるが)
花の先生と互いにシャッター押して写真を撮る。
この御夫婦も我々に似てゆっくり歩きだが休憩は少ない様に見えた。
2時間13分にて ”悪沢岳”(3,141m)に着く。
お花を愛でながらなので時間が掛かってしまったが
今日も小屋泊まりなので急ぐことはない。
悪沢岳山頂からの大展望。 地元、兵庫では山名同定出来ないおいらであるが、
ここから見える有名山は全て同定出来た。 特に ”塩見岳”は昨年末に登ったばかりなので、
苦労した ”天狗岩”からのルートまでもが甦ってきた。
”悪沢岳”から ”中岳”(3,083m)へは急峻な岩峰を大きく下る。
登り返しがきつそうである。
ミヤマミミナグサ
イワツメクサ
テガタチドリ
”悪沢岳”の山頂から見た ”中岳”への登りはきつそうに見えたが、
登り始めてみるとそれ程でもなかった。 それでも長い登りは堪えた。
”悪沢岳”からの激下りを振返り見る。
中盤は垂直の崖を降りてきた感じだった。
3時間25分にて荒川三山の内の ”荒川中岳”(3,083m)に着く。
群馬からの御夫婦は共に58歳とかで、58歳×3名のジジババ
記念撮影と相成った。 (奥さんはまだ57歳でした。スミマセン)
”中岳避難小屋”が見えてきた。
ここまで3時間21分を要している。
反対側にある赤石岳、聖岳、光岳はしょうがいないとして、それ以外の南アルプスの全山が見えた。
やはり展望が得られないと重労働をしただけに終わってしまうので、普段から善行に心掛けて
神様にすがっておきたい。 神様、今日の晴天は有難う御座います。
(お賽銭を入れたことの無いまったくの無宗教者です)
群馬の御夫婦にデジカメトラブル
  ここに来るまでに白山登山、白川郷観光をしてきたのでデジカメのメモリーが一杯になってしまったと言う。 メモリーの不要ファイルを削除している内にバッテリが切れてしまったらしい。 写真の無い山歩きなんて最低なのは重々承知しているので、ここで御夫婦の専属カメラマンを買って出る。 お節介男です。
3時間41分にて ”荒川前岳”(3,068m)に着く。
今立ている後は崩壊帯でこの山頂標識が滑落するのは時間の問題らしい。
ここが崩壊すれば、この写真は貴重な写真になるかも知れない。
”中岳”から避難小屋を振返り見る。 お月さん同様、”富士山”がどこにでも付いて廻る。
麓のガスは中々上がってこず、ラッキーな一日になりそうだ。
鳥取の ”大山”を思い出す崩壊帯であるが、”大山”はこれが両側なので
すこぶる怖いが、 ”荒川前岳”は片側なのでへっちゃらで立って居れる。
”荒川前岳”山頂標識と三角点の後は崩壊が続いているらしく、
激しい落ち込みとなっている。 後何年持つのか?
”荒川前岳”より荒川三山の”中岳”、”悪沢岳”(東岳)を見る。
”荒川小屋”に行くには来た道を少し引き返す。
”荒川前岳”の全景。 アルプスが望めるのは同様であるが、
ここからは伊那の町並みまでもが見えていた。
イワベンケイ
タカネシオガマの群生
イワベンケイの蕾
”荒川前岳”から見えるピークが ”赤石岳”と思っていたが ”小赤石岳”のピークだった。
”赤石岳”は ”小赤石岳”の少し奥になる。
”前岳”周辺で目に着いたお花であるが、当然、他の箇所にも咲いていた。
トラバース路を挟んで上にも下にも広大なお花畑が広がっていた。
これ程広いお花畑を見るのは鳥海山以来であり、これ程のお花畑が
あるとは知らなかったので大感激である。 この花時を知って
ハイカーが沢山来ているのか?
”荒川前岳”から少し引き返し荒川小屋へのトラバース路に入る。
荒川小屋までは穏やかな下りが続き、一帯はお花畑となって
お花に魅入られて足が進まなくなる。
↓ミヤマキンポウゲとチョウノスケの群生
4時間43分にて ”荒川小屋”に着き、ここで昼食とする。
千枚小屋で作ってもらった弁当はいなり寿司が入っている
だけだった。 普段、コンビニで三百円程で買っている
おいなりさんと同じだがお昼弁当代として千円取られている。
やっと ”荒川小屋”が見えてきたが、随分、下の方にある。
ここから小屋までもお花畑が続き飽きることがない。
前方に見えるピークは ”小赤石岳”。
6時間30分にて ”大聖寺平”に着く。 広々としているが別段何が
ある訳でも無い。 ここから ”小赤石岳”への登りが始まる。
”荒川小屋”からはしばらく急斜面が続くがまもなく穏やかなトラバース路になる。
登り途中より ”荒川小屋”と ”荒川前岳”、”お花畑”を振り返り見る。
登り途中から振返ると ”荒川前岳”の崩壊斜面が悠々しく見える。
荒川小屋でビールを飲んだ先輩がヨタヨタと登って来た。
大聖寺平から小赤石岳への斜面を見ると、小さく群馬の御夫婦が
登っているのが見えた。 専属カメラマンとしては早く行かなけ
ればならないが、”荒川小屋”でビールを呑んだ先輩がやってこない。
6時間51分にて ”小赤石岳”(3,080m)に着く。
天気は最高であり、どこのピークからも大展望が
得られている。 ここで専属カメラマンの使命を
果たすことが出来た。
稜線に出て ”小赤石岳”と ”赤石岳”を見る。
どちらも立派な山容の山だ。
”赤石小屋”への分岐点から ”赤石岳”を見る。
手前のおっさんは登り時の清水平辺りでペースが合い出した伊賀上野から来られた人。
60歳で喘息持ちらしいが元気一杯で登られていた。
この後、”赤石小屋”でも一緒になった。
7時間39分にて最終目的地の ”赤石岳”(3,120m)に着く。
南アルプス、荒川三山を背景に記念撮影。 群馬からの御夫婦は妙義山が見える
ところに住んでいるらしく、紅葉の妙義山をガイドすると言ってくれた。
北海道も専属カメラマンとして同行して欲しいと言っていたが、
当然、これは冗談でしょう。
”赤石山頂”より ”避難小屋”を見る。 ”避難小屋”には管理人が居り、
食事も出来るらしい。 ここから ”聖岳”へ縦走する人も多く、それも考えたが
体力無しの2人なので今回は素直に下山することにした。
大倉喜八郎はこの山頂広場で宴会をしたのか
  東海パルプの前身、東海紙業の創業者で大倉財閥の
大倉喜八郎”は、1926年夏、88才の時に「自分の所有地の
一番高いところに登りたい」と、約200人の人足を引き連れ、
駕籠に担がれて、大名登山のごとく ”赤石岳”に登頂した
逸話は有名である。

こちらにも広大なお花畑があった。
迫力ある稜線とのコラボレーションが魅力的な景観であった。
分岐から下り ”赤石岳”の東斜面を見る。
残雪も所々にあるが、今回は通ることが無かった。
ミヤマタンポポ
クロユリ、恥ずかしがりやなので顔を上げてやる。
タカネグンナイフウロウ
クルマユリ
沢沿いの道は小さな登り下りを繰り返しながら、滝有り、
鉄の仮設橋有りで変化があり面白い道であった。
展望のある道は気分良く歩けた。
水場ではないようであるが、小さな滝があったので
顔を洗ってリフレッシュする。
9時間43分にて ”富士見平”に着く。
ここから富士山を見るより振返り縦走して来た山々眺める方が面白い。
日差しの良い午前中にこの展望を見たかった。
15時29分、10時間09分にて ”赤石小屋”に着く。
山頂からは近くに見えたが、実際に歩いてみると
2時間近く掛かり随分遠かった。
”富士見平”はちょっとした広場になっており、休憩にはもってこいの
ポイントであった。 ここから ”赤石小屋までは30分”の距離と書いてあった。
1日目:椹島〜千枚小屋
3日目:赤石小屋〜椹島
シナノキンバイ(黄)
ハクサンイチゲ(白)
御来光が ”富士山”に被ってくれなかったのが残念であるが、
山小屋泊まりでないと見れない日の出の光景に感激。
日本百名山』 千枚岳から悪沢岳、荒川東岳、荒川中岳、荒川前岳、小赤石岳、赤石岳の3千m以上の峰を縦走する。
しばらくは樹林帯の中を進むが、尾根筋に出ると
樹木の少ない高山帯となる。
”千枚小屋”を5時20分に出発して ”悪沢岳”への登山道に入ると、
見る見る高度を稼いで、”千枚小屋”が下方に見える様になった。
”大聖寺平”には東海パルプスポンサーの立派な標柱が立っていた。
今日1日は付かず離れずで御同行願った群馬県から来られた御夫婦。
”妙義山”の直ぐ近くにお住まいなので、後日お世話になった。
”赤石小屋”の裏山が展望地になっていたので服を着替えてから登って見る。
2023年12月30日改定