〔092〕大山 (1,729m)

    標高差:770m
累積標高差:1,167m

2010年11月06日(当時61歳)


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鳥取県西伯郡大山町大山
登り:2時間20分(剣ヶ峰まで)
下り:3時間50分(振子沢経由)
コースタイム:6時間10分(休息時間44分含まず)
ウィキペデアから
  西の方角(特に鳥取県米子市方面)からみた山容が富士山に似ていることから伯耆富士(ほうきふじ)
や出雲富士(いずもふじ)の名も持つ一方、北・南壁を見ると溶岩ドームが崩れた荒々しいアルペン的
景観により、まるで違う山に見える。 一帯は大山隠岐国立公園に指定され、8合目以上には国の特別天然記念物ダイセンキャラボクの日本一の群生地、中腹には西日本一のブナの原生林があり、新緑・紅葉の季節には、崩落した岩壁とのコントラストが素晴らしい景観を生み出している。
Road Map  :米子道を溝口ICで下りて、県道45号線を大山の南に回り、三ノ沢に至る。
Route Map :三ノ沢を登り詰め、槍ヶ峰から天狗ヶ峰、剣ヶ峰に登る。下山は振子沢から鳥越峠越えとする。
駐車地 三ノ沢登山口 最後の砂防ダム 槍ヶ峰 天狗ヶ峰 剣ヶ峰
9:14 −−− 9:51 −−− 11:04 11:34
剣ヶ峰 天狗ヶ峰 振子沢分岐 振子沢 駒鳥小屋 鳥越峠 文珠越 駐車地
12:18 −−− 13:02 13:21 14:42 15:10 15:40 16:08
下山路は最悪だった
 同じコースを戻るのもしゃくだったので、振子沢の周回コースを選んだが、コースが
長く、結構な登り返しがあり、登り時の三ノ沢の展望の良い道とは雲泥の差だった。
しかし、行って見ないとコースの面白無さは判らないので、何事も経験と諦める。
今日の温泉
  蒜山高原国民休暇村の綺麗なホテルの日帰り温泉(500円)に入る。浴室は3階にあり、
蒜山が望める展望風呂だった。
夜は鍋を囲んで宴会
  16時に別荘での宴会の予定であったが、山を下りるのが遅く、温泉まで入ったので
別荘に着いたのは18時過ぎの大遅刻となってしまった。 が、鍋はもう無いものと諦めていたが、これから始まる時だった。 当然、山の疲れもあり、へべれけになり、一番に寝てしまったらしい。 毎度のことであるが宴会での記憶は残っていなかった。
今日は蒜山高原で職場の宴会
 今日の夜は職場同僚のオヤジが建てた別荘で8名が集う鍋宴会であるが、有志3名だけが早起きをして大山に登り、”剣ヶ峰”に挑む。

最高峰は剣ヶ峰

”三ノ沢”の登山口付近は工事中であり、駐車スペースが無かった。
駐車スペースを求めて東に走ると路肩に車5台程のスペースがあり、
車を停めることが出来た。 9時45分に駐車地を出発する。
黄葉を眺めながら県道45号線を歩くこと10分で
登山口となる林道入口に着く。
”三ノ沢登山口”は重機で工事中であったが、登山道に入るのには
何の支障もなかった。 はっきりと駐車禁止と書かれていた。
マイナーなコースなので碌な道が無いだろうと思っていたが、
意外や意外、歩き易い道が続く。 紅葉、黄葉を撮影しに来た
カメラマンも多かった。
心配していた砂防ダムの堰堤越えもなく、楽チンな林道が続く。
今日はどう考えても天気は最高、風もまったく無かった。
今日の我がチームは超ベテランおやじに超ビギナーの異色チームと
となり、さてどこまで行けるやら。 超ビギナー君は ”三鈷峰”に
連れて行った時もびびらなかったので大丈夫とは思う。
37分にて最後の砂防ダムを右岸からよじ登る。 ここはロープの
設置があり、ロープを頼らないと登れない程の急斜面だった。
砂防ダムの上から振り返り見ると ”蒜山”が見えていたが、
もやっておりパッとしない景色であった。
砂防ダムの上部は ”大山”が崩壊した砂礫で埋め尽くされていた。
ここから先は頼りない踏み跡を探しながらの歩きとなる。
ここから見る ”大山”は真に ”関西の涸沢”であり、これから ”関西のザイテングラード”を登ることになる。
”大山”は晩秋から冬季に北側からのメジャールートから登ると、午前中は山影になってしまい、陰気な景観となるが、
南側の ”三ノ沢”から登ると、1日中、お陽さんが当たる。
積雪の上が一番歩き易く、積雪がなくなると極端なザレ場となり、
一歩進む内、半歩は下がってしまう。
雲一つない青空の元に ”奇岩”と ”積雪”の又とない景色であるが、
この辺りから砂走り的なザレ場となり、前に進まなくなってくる。
”槍ヶ峰”を目の前にして、岩峰登り的なスリリングな登山道となり、俄然、楽しくなってきた。
この辺りまではずーっとザレ場だったので、ここを下山に使うには困難そうなので、
”振子沢”から下りたいと思う様になってきた。 (これが大きな失敗だった。)
登ってきた谷筋と尾根を振り返り見る。 見えているのが ”三ノ沢”で
”二ノ沢”はもっと右側で写真には載っていない。
”槍ヶ峰”の尾根筋に出ると俄然、アルペン的な風景が広がる。
但し、どこを指して”槍ヶ峰”なのかがさっぱり判らない。
ここまでも、これからも道標がまったく無いのだ。
”槍ヶ峰”から ”天狗ヶ峰”まではナイフリッジが続く。
でもこれはほんの序盤であることが後で判る。
1時間50分にて ”天狗ヶ峰”(1,710m)に着く。 ここで待っていてくれた様に ”HPを出している人ですよね!”と話し掛けてくる人が居た。 高知から我がHPを見ていてくれているらしい。
しっかりと装備された2人とは対象的によれよれズボンにTシャツの
貧相な我が姿を見て、がっかりされた様子だった。
女性が ”剣ヶ峰”を往復するのに驚いたが、彼女はラッセルもいとわない勇猛果敢な女性らしい。 因みにおいらにはラッセルは出来ない。
”天狗ヶ峰”側から ”槍ヶ峰”方向を振り返り見る。
”天狗ヶ峰”から先は前回、強風でビビッて敗退したところだ。
天気も良いし、風も無いし、女性でも歩いているし、もう行くしかない。
今年6月に ”三鈷峰”に登り、その時に絶対に行かないと誓った尾根筋を今歩いている。
丁度4年前に強風で敗退しているのだが、今日はウソの様に恐怖心が無い。
今日は ”剣ヶ峰”まで行ける条件が全て揃っている。
自分の事より超ビギナーが心配で、入社1年目の彼に事故に
合って貰いたくないので、あれこれと注意してしまう。
前からと後ろからとコース取りを指示したが、彼は落ち着いている様に
見えた。しかし、内心は相当にビビッていたらしい。(ビビるのが当然)
”剣ヶ峰”の石碑が見えてきた。
”おっと危ない!”の行動を取るので後ろから見ていて冷や冷やした。
今日、お付き合い頂いたメンバーと記念撮影。 いつもなら昼飯を食っ
てささっと下山するのであるが、彼らはお湯を沸かしてカップメンを
食べだした。 食事の後はコーヒーまで沸かし出して、山頂での休憩
44分は休憩嫌いのおいらに取って耐え難い時間だった。
2時間20分にて大山最高峰の ”剣ヶ峰”(1,729m)に着く。
この石碑は山頂標識と思っていたが 、慰霊碑だった。
”天狗ヶ峰”からのナイフリッジを見る。
我思うに、知っている範囲では ”日本一危険な縦走路”だ。
”剣ヶ峰”から ”大山”の最高峰としている ”弥山”(1,711m)側を見る。
”弥山”には夏山登山道から登ったハイカーが沢山居るのが見えた。
果敢にも ”剣ヶ峰”から ”弥山”縦走して行ったハイカーが ”ラクダの背”で
引き返して来た。 危険そうなので取りやめて引き返したらしい。
先ほど通った尾根をこの後,戻ることになる。 しかし、凄い景観だ。
鋭いナイフリッジも岩盤なら問題ないのだが、崩壊中なのが怖い!
右の薮の中にエスケープルートがあったので
入ってみると、全面凍結していて、エスケープルートどころではなかった。
やっと休憩を終えて下山してくれることになった。
下りも注意して行きましょう。
”天狗ヶ峰”を過ぎてもナイフリッジが続くが、
ここは往復した経験があり、精神的な余裕あり。
砂地を軽く歩いている様に見えるが・・・
つまづくなよ! 無事に帰ろうぜ。
”ユートピア小屋”にも ”三鈷峰”にも沢山のハイカーが居るのが見えた。
”三鈷峰”への登りも結構、デンジャラスであったが、こちらはその比ではなかった。
下山44分にて  ”振子沢分岐”に着く。
ここまでも、ここから先も道標がまったく無く、
道間違いに注意しながら尾根を下りる。
尾根筋が終わると ”振子沢”に向けて激下りとなる。
”振子沢”に入ると、道は無く、ただ沢を歩くだけとなる。
石がゴロゴロした歩き難い沢道が長く続き、退屈で何も面白みがない。
この頃にはこちらに廻ったのが失敗だったと後悔が始まる。
邪魔になる程の積雪は無かった。
奇岩が見られたが、ここにしか無かった。
冬枯れのこの季節はまだましだが、
夏場でのこの道は薮扱きで大変だと思う。
写真で見ると綺麗な紅葉だが、紅葉時期として少し遅過ぎた。
河原から随分、上の方に小屋を見付ける。 ロープ場を登ってみると
”駒鳥避難小屋”に着いた。 内部は隙間だらけで遭難しそうな
避難小屋だった。 ここからは ”鳥越峠”までは、もう一山登ること
になり、退屈で面白くない道が長く続く。
”振子沢”から広い河原の ”加勢蛇川”に出たところで道を見失う。
一旦は上流側の谷間を目指すが、思い直して下流に進むことにした。
結果は正解でほっとすることが出来た。
3時間50分で下山を終えて、車で ”鍵掛峠”まで行くが、夕焼けの大山を
見る観光客が一杯で駐車場に入れず、更に東に進んで、道路脇から ”烏ヶ山”の夕焼けを見て我慢する。 ”烏ヶ山”より手前の1,201mピークの紅葉が綺麗
だった。 ”赤富士”ならぬ ”赤烏ヶ山”を見る。
日本百名山』 ついに大山の最高峰、”剣ヶ峰”に立つことが出来た。
だいせん
今から10年前の2000年に ”烏ヶ山”への
登山道が崩壊して登頂禁止となっていた。
ベテランを先に行かし様子を見るずるい作戦を取る。
前回もザレた南斜面を確認したが、足を踏み外せば下まで
滑落して帰らぬ人になってしまうだろう。 ここは集中して歩こう。