標高差:724m

2010年04月30日(当時60歳)


日本二百名山に戻る

長野県長野市戸隠
登り:4時間11分(残雪期参考、道間違い時間含む)
下り:4時間47分(残雪期参考、県道歩き時間含む)、
トータル:9時間03分 (諸般の事情により参考タイムにならず)
信州百名山から
  越
信越国境近くを南西から北東に走る火山性山地戸隠連峰のほぼ中央に聳える山が三角点のある主峰だが、北端の乙妻山から避難小屋のある一不動までを裏山、一不動から八方睨までを表山、八方睨から一夜山までを西岳を総称して戸隠山と呼んでいる。 西岳から五地蔵岳へ至る約十kmの稜線は凝灰質集塊岩からなる峻険な奇岩奇峰が立ち並び、東側は侵食による急崖になっている。 最も顕著に現れたところが「蟻ノ戸渡り」「剣ノ刃渡り」と名付けられた難所で、両端が数百メートル切れ落ちるナイフエッジの稜線だ。 コースは戸隠牧場から一不動を経由し主峰に至るコースと、奥社から天狗ノ露地を経て八方睨に至るコースがあるが、初心者は後者の奥社から蟻ノ戸渡り直前までとし往路を引き返した方が無難だ。 そこに辿るまでも幾つかの難所がある。
Road Map :上信越道を長野ICで下りて、R406、県道76号線、県道36号線を経由しえ戸隠高原へ。
Route Map:鏡池から戸隠奥社に向かい、蟻の戸渡り、八方睨を経由して戸隠山へ。一不動側から下山する。
戸隠山 九頭龍山 屏風岩 避難小屋 帯 岩 牧場登山口 バス停 奥社入口 鏡池P
9:23 10:33 −−− 10:56 11:17 12:07 13:04 13:26 14:10
日本二百名山』 戸隠山系の最高峰である ”西岳”には残雪で行けなかった。
西岳中止は少し悔しいが
  戸隠山でさえも途中4度も道を見失っている。 登山道さえ判れば困難な山とは
思っていないが、第一峰を下り終えてからの広い雑木林で道を見失う可能性が
大だったので、今回の中止は正解だったことにしておく。
時はまだ2時過ぎ
  ポカポカと暖かいので鏡池の駐車場で雪で濡れた衣服と靴を天日干しにし、
食べ損ねたおにぎりで遅い昼食として時間を潰す。 明日、登頂予定の”黒姫山”を
どこから登るかまだ決め兼ねている。
今日の温泉
  以前、妙高、火打登山時に利用した最安値掛け流し温泉である妙高温泉 ”大湯”
(関川共同浴場)に行くことにした。
鏡池P 随神門 戸隠奥社 五十軒長屋 蟻の戸渡り 八方睨 戸隠山
5:07 5:42 6:05 7:17 8:35 8:51 9:18
152戸隠山 (1,904m)
最高峰は西岳(2,053m)
駐車場の横には綺麗なトイレがあり、その奥に”どんぐりハウス”なるレストランとバベキューサイトがあるが、中までは見に行っていない。昼からは暖かくなるであろうからW・Bだけを着て明るくなった5時過ぎに歩き始める。
鏡池の広い駐車場で車中泊としたが、ここで標高1,200mを超えており、放射冷却と相まって外気温度−1℃、車内温度2℃まで冷え込んだ。
朝から即席ラーメンを食べて体を温める。
”鏡池”越しに ”戸隠連峰”を見る。
まず戸隠山に登り、八方睨に引き返し、最高峰の西岳から第一峰を経由して下山する予定だったが・・・
早朝から鏡池には3名のアマチュアカメラマンが来ていた。 ここは逆さ戸隠撮影の名所らしい。
鏡池から ”随神門”までは遊歩道が通っているはずであるが、
残雪で道のほとんどが隠れており、踏み跡を頼りに進んで行く。
気温は−1℃であるが風が無く寒くはない。
道標もしっかりしており安心して歩ける。
13分にて ”天命稲荷神社”に着く。
神社に用はないが目印があるだけ有難い。
気持ちの良い樹林帯の中を歩いている途中に”御来光?”を迎える。
快晴が保障された様な青空が広がる。
鏡池から ”随神門”までは1.5kmの距離。 結構あるなー!
35分にて ”随神門”に着く。 ここからは奥社への広い参道を歩く。
本来なら奥社入口の駐車場からの歩きとなるが、今回は西岳周回コース
を取りたかったので鏡池出発とした。
参道は重機3台で早朝から除雪作業中だった。
横を通るごとに作業員から ”作業中ですみません”と3名から言われた。
場違いの時間に歩いているこちらこそすみません。
植林帯のスギは大嫌いであるが、
ここの大杉並木はおごそかさを感じる。
少しづつ斜度が増えてくると前方に ”奥社”が見えて来た。
背後には妙義山を思わす険しい山並みが聳えている。
58分にて ”奥社”に着く。 左手に登山口があるはずであるが、
残雪の壁に阻まれて登れそうな個所はなく、表示もまったく見当たらない。
(後で思うに道標は雪の下に?)
しばらくは踏み跡を探すが、見付からないので右手の登り易そうな斜面に取り付く。
残雪期なので藪扱きすることもなく、適当に登って行く。
このまま真っ直ぐ進むと壁にぶち当たってしまうので、左手の尾根に
進路を変える。 尾根への登りは斜度がきついのでアイゼンを着ける。
二つ目の尾根に這い上がると ”登山道”の
痕跡があった。 これで安心して登ることが出来る。
最初の尾根に這い上がるが、尾根筋を登れそうで登れなさそうな感じだった。
どこかに登山道があるはずと信じて、一旦、谷に下りて更に左手(南側)の尾根に
登ってみることにする。(写真は一つ目の尾根から見た戸隠山脈)
数時間後には目の前の岩峰の上を歩くことになる。
尾根筋を淡々と進んでいると前方に大きな壁が見えて来た。
ここまで標識がまったく無かったのに壁の下には3枚の
登山道”の標識があった。 お前らアホか!と言いたい。
2時間10分、この崖が ”五十軒長屋”と
言われている岩峰らしい。
表示はこの様に適所にして貰いたいものだ。
壁の下が深くえぐれており、石仏が祀ってあった。
何か ”大普賢岳”に来た様な錯覚に陥る。
登山道はこの残雪の下に隠れている様だ。
岩壁登りより、こんな残雪のトラバースの方が怖い!
ここで再度道間違い。 登山道を見失い、前方の岩壁を登るものと勘違い
し、「こんな壁、下りられないぞ!」と思いながらよじ登ると、登山道で
は無かった。 「道間違いは元来た所まで戻る」の鉄則の元に岩壁を下る
ことに。 岩壁の日陰部分は凍っておりグリップが得られなかった。
逆光ではあるが ”飯縄山”と戸隠スキー場が良く見えた。 鏡池Pには小さく自車も見えていた。
飯縄山のスキー場なのに戸隠スキー場とは知名度で付けられたのか。
くさりに頼ることなく登れるくさり場。
雪も載っていなく、凍ってもいない
グリップの良いくさり場だった。
2時間53分にて ”百軒長屋”に着き、
くさり場に入って行く。
天狗の露地”から見た ”西岳”であるが、ここまでの2回の道間違えで時間を
浪費してしまい、最高峰の ”西岳”への登頂を取りやめ様かと心が揺らぎだした。
誰も居ない登山道、休憩ついでに自分撮りをしておく。
しかし、この有名山になんで誰も登って来ないのか?
くさり場は次々に現れ、同行者(被写体)の居ないのが悔やまれる。
3時間16分にて ”胸つき岩”と
表示された岩峰手前に着く。
これが ”胸つき岩”か? 斜度はきついがホールドが
しっかりしており、くさりを頼らなくても登れたが、
後半は安全の為にくさりに頼った。
3時間28分にて ”蟻の戸渡り”に差し掛かる。
アイゼンを外すのが邪魔臭いのでアイゼンを着けたまま
渡ることにするが、これが命取りにならなければよいが。
”胸つき岩”を登り終えると前方に
”蟻の戸渡り”と”八方睨”の展望が広がった。
いよいよ確信部に来たとの実感が湧いてくる。 ワクワク!
蟻の戸渡り”は靴巾二つ分の巾があり、アイゼンでぐらぐら
しながらも立ったままでの通過に問題はなかった。
問題は ”剣の刃渡り”で場所によっては靴巾分もない狭さで、
誰も見ていないので無理をする必要はなかったが、平均台よろしく立ったままで渡り切った。 後から思えばアイゼンは外すべ
きだった。 あぁー、写真を撮って欲しかった。
”八方睨”への登り途中から”蟻の戸渡り”を見てみると、
ハイカーが渡り始めていたので、しばし、観察する。
かなり怖いのか、アイゼンを外して、両手を付いて
ヨタヨタと歩いていた。
”剣の刃渡り”ではエスケープしてしまった。
安全の為にはそれが正解だと思う。
直ぐに ”戸隠山”に向かいたかったが、
オヤジが登って来たので待ってみる。
3時間44分にて”八方睨”に着く。 えらく時間が掛かってしまっ
たが、まだ8時50分、西岳に行くには時間は充分ある。 くさり場は
怖くないが、道間違いが怖い。 踏み跡が無く、登山道が判らないので
違う尾根に迷い込んでしまう心配がある。 散々迷った挙句、
西岳登頂は断念することにした。 怖がりの意気地無しです。
こちらは日本百名山に入っている ”高妻山”(2,318m)であるが、
自分が'03年10月に登った時には行程が長く良い山の
印象は残らなかったが、こうして見ると格好の良い山だ。
目の前の”西岳”(2,053m)を見る。 戸隠連峰最高峰なので、”西岳”に登らないと
”戸隠山”に登ったことにはならないとの決意で来たのだが、残雪がなくても危険な山域
らしく、今回は敗退とする。 (踏み跡さえあれば行ったのだが・・・)
オヤジはまだ ”八方睨”で休憩しているので、寂しく自分撮りを
しておく。 この時点でまだ迷っており、ここから引き返せば
”西岳”に行けるとの思いが吹っ切れない。 でも、結局は諦める。
4時間11分にて ”戸隠山”(1,911m)に着く。
どちらかと言うと ”八方睨”の方が展望が良かった。
同じく ”戸隠山”から ”飯縄山”(1,917m)を見る。
”戸隠山”から ”八方睨”と ”西岳”を見る。
前方に ”黒姫山”(2,053m)が見え出した。 日本百名山で高妻、
妙高、火打,雨飾、日本二百名山で飯縄、黒姫が間近に、遠景では
後立山連峰の白馬、五竜、鹿島槍が見えていた。
”八方睨”で充分休憩(16分)したので ”戸隠山”は
早々(5分休憩)に ”一不動”側に下山する。
オヤジにあっと言う間に追い付かれた。”蟻の戸渡り”では
へたれオヤジに見えたが、ピッケルを持っており、2本ストックで
やたら足が早い凄いヤマラーであった。 失礼しました! 東京から
来られた59歳の森さんと聞く。 俺と歳は変わらないのに体力差は
歴然としている。 当然、先に行って貰う。
”戸隠山”山頂で記念撮影をしているオヤジであったが・・・
森さんの踏み跡に付いて行く。 これは精神的に非常に楽チンだった。
”高妻山”の優姿が目を引き、何度も写真を撮ってしまう。
これが ”屏風岩”? まさに ”妙義山”を歩いてい
る様ではあるが残雪期でみると、妙義山よりは数段、
楽な道である。 足の早いオヤジ(赤丸)は
遥か前方を歩いている。
雪庇が大きく張り出している個所が多いので、写真撮影時にも
出来るだけ崖の縁には近付かない様に気を付ける。
”蟻の戸渡り”を更に激しくした様な岩峰があったが、
これが”屏風岩”なのかも知れない。 表示くらいしておいてよ!
前方に最後のピークが見えてきた。 ”九頭龍山”(1,883m)は
どこかで通り過ぎてしまった様だ。 再度、表示くらいしておけよ!
小さい登り下りがあるものの、歩き易い残雪面が続く。
最後のピークから眺めた有名山。 少し雲ってきたが、いい景色だ。
5時間49分、下山1時間33分にて ”一不動避難小屋”に着く。
オヤジはここでおにぎりを食べていた。 立ったまま食べている姿を
見て、我が休息タイプと同じだったので嬉しかった。 オヤジは高妻山
まで行くか悩まれていたので、大丈夫だろうと後押ししたが、
高妻山への登山道にも踏み跡はなかった。
最後のピークから一不動への斜面は走る様に下れた。
オヤジと俺の足跡だけが残る。
小さいながらデブリがあり、上方に気を配りながら
デブリの筋を横切るが、今日は大丈夫な様であった。
後は下るのみ。 残雪が緩んだ斜面をどんどん下っていく。
前回、来た時はスリルのあった ”帯岩”のトラバースであるが、
アイゼンを付けていると難無く通り抜けることが出来た。
滝の横のくさり場を下る。
この滝は ”高妻山”に登った時に見た ”帯岩”横の滝と違う様だ
初春と秋の違いがあるので前回の記憶がまったく
戻らないまま、どんどん下っていく。
7時間00分、下山2時間44分にて牧場端の登山口に着く。
実はここに下山したのではなく、川沿いに下山したので随分北側で
牧場に出ていた。 そしてここから迷走が始まり、遊歩道を随神門
まで帰るつもりであったが、道を見失いどこでも歩ける林の中を
方向だけ間違わない様に進むが何度か沢に阻まれ、渡渉を繰り返す
が最後は川に阻まれ、キャンプ場に引き返すことになる。
キャンプ場に戻り、バス停で時間を見ると次のバスは
19分後の発車だったので、歩く方が早いので
県道36号線を歩き、奥社参道入口に至る。
積雪の下には遊歩道があるのだろう。
気持ちの良い雑木林を進む。
奥社参道入口から遊歩道に入り、鏡池に向かう。
森林植物園の遊歩道なので季節になれば綺麗な花が一杯咲く様だ。
この辺りになると観光客がやたら多い。
9時間03分、下山4時間47分にて ”鏡池”に戻る。
今日は作戦ミスで随分と遠回りの山歩きをしたものだ。
朝見たのと同じ戸隠連峰の景色であるが、陽の当りで綺麗になっているので
再度、写真を撮る。 鏡池は交通規制が入る程の人気スポットで、駐車場は一杯になっていた。
前方に”妙高山”を見ながら路地を入っていく。 共同浴場と書かれているが、
立派な掛け流し温泉である。 入浴料は200円なので石鹸、シャンプーは
置いていない。 6名も入れば一杯の狭い浴場に洗い場は7つ、シャワーは
3つだけである。 駐車場は浴場前に軽四一台分しかない。
04/29 04/30 05/01 05/02
斑尾山 戸隠山 黒姫山 飯縄山
2010年度の長野の山遠征
酒屋のオヤジに駐車場を聞くと、酒屋の向かいの空き地が駐車場に使って良いと延々と喋ってくれた。 この空き地は路上駐車を嫌がって周辺住民がボランティアで提供しているスペースらしい。 俺たちの金にはならないと力説してくれた。
(話しが長かったが逃がしてくれなかった。)
とがくしやま
2024年3月16日改定
今日の温泉