〔075〕明神岳 (1,432m)、〔076〕桧塚 (1,402m)

2012年06月10日


関西百名山に戻る

三重県松阪市飯高町
  朝、目覚めてからどこかの山に行こうと思い立ち、遅い時間からでも楽に二山登れる山を選んだ。
勝手知ったる迷岳登山口のスメールにカーナビをセットして蓮ダムに着いた所で登山口にカーナビをセットし直すと、カーナビ様はグルっと廻った反対側の林道を指した。 えらい遠回りになるのでおかしいなーと思いながらもカーナビ様に従って15分程走って反対側からの林道に入ると、そこは土砂崩れで通行止めだった。 又、蓮ダムに戻ってカーナビに逆らって林道を走り、登山口近くまで行くことが出来たが、
こちらも途中で通行止めだった。
Road Map :名阪国道を針I・Cで下りてR369を南下してR166を東進し、蓮ダムから林道に入る。
Route Map:木屋谷川沿いの林道通行止めゲートより桧塚奥峰、明神岳、桧塚を巡る。
    標高差:974m
累積標高差:1,842m
関西百名山』 登山口選びの失敗から始まり、数々の失態で終る。
コースタイム:6時間06分(休息時間含む)
登り:3時間13分
(明神岳まで、内、林道歩き53分)
下り:1時間53分(桧塚から、内、林道歩き47分)
ゲート前の駐車地には既に4台の車が停まっており、人影が無い。
気になるのは登山口の標識がまったく無く、現在地がどこか判らず、
林道を歩けば登山口に行けるのか、何分掛かるのかまったく判らない。
そんな不安の中、9時丁度に歩き出す。
当然 ”千秋林道”を走り詰めて登山口まで行けるものと思っていたが、ゲートで通行止めされていた。 ここまでも通行止めの看板はあったが、例によってそんなことは無いだろうとここまで走ってきたが、ここは通り抜けられそうになかった。
橋流失で沢を渡れないのではと思ったが、ハイカー用に木製橋が
設置してあった。 これを見てこの林道で登山口まで行けると安心した。
通行止めゲートを越えて少し歩くと橋が丸々無くなっていた。
'11年の台風12号の爪痕だろうか? これ程の水害なら登山道は
大丈夫だろうか? 色んな心配が頭を過ぎる。
林道は橋流失だけではなかった。 橋が無ければ復旧作業も出来ない
土砂崩れが出て来て、堆積土砂、流木を迂回しながら進んで行く。
ここまで登山口方向を示す道標は一切無し。
しっかりと舗装された林道であるが、落葉、流木が
堆積して地道の様に見えた。
土砂崩れを3ヶ所越えて行く。
高い山にはガスが乗り、肉眼では見えているが、写真には写っていない。
関西は梅雨に入ったので、今日も雨に遭うのか? 先週の雨にも懲りずに
カッパは持って来ていない。
登山口に行けるならどこかに道標があるはずと探しながら歩いていると、
林道歩き53分にて ”登山道”と書かれた古いマーキングテープを見付
ける。 しかし、どこの山に行けるのかの表示がまったく無く、自分が思
っている周回コースなのかが判らない。 林道はまだ続いているが、林道を進んで登山口を見付けられないのも嫌なので、ここから登ることにする。
今は廃屋となっている ”造林事務所”前を通る。 この林道で登山口に行けるのか不安で、先行者の足跡を探すが、雪道と違い足跡が残っていない。 湿った砂地に昨日か今日の微かな足跡が見られ一応安心する。
沢沿いの道から離れ、しばらく登るとやけに広い林道跡に出た。
登山道は林道跡を歩くことなく、横切って行く。
この辺りからは登山口にあったテープがやらた貼り付けられていた。
が、どこの山に行けるのかの表示は一切無しだった。
登山口からしばらくは沢沿いの道となるが、
登山道は倒木、崩壊で荒れ放題となっていた。
登山道が林道跡を横断するのは7回に達した。 ハイカーが林道跡に
迷い込まない様にテープで配慮されていたのは有り難い。
”登山道”のテープは沢山貼ってあり、登山道もはっきりしているが、俺はどこに向かっているの? 状態であった。
スギの植林帯からヒノキの自然林に変わり、薄暗い中を登って
行くと、前方が一気に明るくなった。 この明暗の差は感動もの、
これで山歩きが出来ると嬉しくなってくる。
1時間46分にて作業小屋跡を通過する。
登山道もかつての営林作業用の杣道なんだろう。
ヒノキ林を抜け、草原の中を目の前のピーク目指して登って行く。
最初に見えたピークに登り切るとそこは単なる肩であり、更に奥にピークが出てきた。
振り返ると抜けてきたヒノキ林と歩いて来のかもしれない林道、そして山名が判らない山々が見えた。
次のピークに登り切ると更に奥にピークが出てきた。
ここからは高見山、三峰山が見えているはずであるが、まったく同定出来ていない。
3つ目のピーク(肩)へ登って行く。 草地に出てからは風が
やたら吹き出し、登りなのにTシャツでは寒くてW・Bを着る。
今日始めて山歩きらしい岩床帯を通るが長くは続かなかった。
登り時のこの時点では先に見えるピークを ”明神岳”と信じていた。
この辺りの山はGPSでは山名が出て来なくて同じ様な標高の山が並んでいるので、
GPSでは山を特定出来ておらず、自分の思い違いも加わって酷い勘違いをしていた。
尾根筋を緩やかに登って行くと初めて立派な道標があった。 ”桧塚”は登って来た方向を指しており愕然とする。 この道標がどうして分岐に立っていなかったのか。 そして道標は ”桧塚奥峰”を指している。
”桧塚奥峰”って何?、10mの距離なので取り合えず行ってみる。
尾根筋に出る。 左へ進めば10分で ”桧塚”に登れたのに、この時は自位置が判らず、標高の高い山が見える右側に進んでしまう。
2時間25分にて ”桧塚奥峰”(1,420m)に着く。 昼飯を食っていたベテランハイカーにここはどこ? と聞くと、どこの登山口から登って来た?、どこの林道から来た?と
逆に聞かれ、登山口も林道も名称を知らないので何も答えられず話しにはならなかった。
”桧塚奥峰”からは大展望だった。 台高の多くの有名山が見えているのであろうが、
まったく同定出来ていない。 左端のピークが目的の ”桧塚”だと言うのは後から知ることになる。
今日は周回コースは諦めて ”明神岳”に先に行って、引返して ”桧塚”に登ることにした。
2時間48分にて ”判官平”と書かれた地点に着く。
プレートには読みが書いてあり ”ホウガンダイラ”と
読めるが、本当だろうか。
”桧塚奥峰”からはブナの小木が茂る中を緩やかに下って行く。
風が強いので雨雲が流れて来て小雨が降ったり、雲が切れて
ガーンと晴れたりの変な天気である。 貰った地図で自分の
頭の中の勘違いが序々に修正されて来たが、”桧塚”が後になり
周回コースを取れなかったのが悔やまれる。
フラットに近い樹林帯を進んでいるとハイカーが来たので ”明神平”
への道を聞くと、話ししている内に同じ地図を2枚持っているから
1枚あげると言ってくれた。 地図を持たないのもおバカハイカーで
あるが、同じ地図を2枚持つのもおバカハイカーである。
”え! あれが明神岳山頂?”
緩やかに登り、ヤセ尾根に突き当たる。 道標があり ”明神平”を
指していたが、 ”明神岳”の表示は無かった。 ガスに包まれ
真っ白になるが、幸い雨とはならなかった。
先程登って来たブナ林を下って行く。
3時間13分にて ”明神岳”(1,420m)に着く。
単なるヤセ尾根の途中でありピーク感はゼロだった。
山頂脇で昼飯を食べて10分休憩して引返す。
分岐への戻り途中から ”桧塚”を眺める。
ここから見る限りでは展望の悪そうな山に見えた。
”明神岳”から38分にて ”桧塚奥峰”(1,420m)に戻る。
先程は数名のハイカーが居たが、もう人影はない。
直ぐに ”桧塚”に向う。
”桧塚”への登り途中から登って来た尾根筋を見る。
強い風に乗ってガスが上がって来た。
分岐に戻ってからは登りとなる。
山頂には三角点と私設の山頂標識があるのみ、直ぐに下山する。
”明神岳”から51分にて ”桧塚”(1,402m)に着く。
予想通りピーク感と展望のないクソ山だった。
反対側から下山尾根を見る。 ハイカーから貰った地図によるとこの尾根は
千秋峰”と言うらしい。 格好良い尾根には格好良い名が付いていた。
殺伐とした植林帯の道であるが、下り一方で道がしっかりしており
歩き易い。 下り時間が短くて済みそうだ。
展望の良い ”千秋峰”を下り、味気ない植林帯に入って行く。
いつもは下山が長く退屈なのだが、今日は快調に下って行けた。
57分にて沢沿いの道に出て、ここからは荒れた道となる。
登山道の崩壊箇所を通る。
通過には垂らしてあるロープが大いに役立つ。
綺麗な沢であるが、材木所の様に流木が溜まっている箇所があった。
雨水で削り込まれた林道。
下山1時間6分にて林道に戻る。
2つ目の土砂崩れ。
最初の土砂崩れ。
4つ目の土砂崩れ。 ここの流水で顔を洗う。
3つ目の土砂崩れ。
反対側から見る。 ここから駐車地までは直ぐの距離だ。
林道の橋崩壊場所に戻る。
下山1時間53分にて駐車地に戻る。 林道歩きは47分だった。
帰路、実香肌湖から見た ”迷岳”までの尾根を見るが、
ここからは ”迷岳”は見えていなかった。
一番楽なコースを選んだつもりだったが・・・
  車で林道を上り詰め、2つの登山口を確認してから周回コースとする
つもりであったが、林道崩壊から思わぬロングコース歩きとなってしま
った。 それに加えマイナーな山のマイナーなコースを選んでしまった
せいか、表示の無い登山口、登山道に翻弄された。
次回があれば是非、明神平側から登って見たい。 その時は桧塚まで行か
ずに、一番展望の良かった桧塚奥峰までの往復としたい。
ひのきつか
みょうじんだけ