岡山県津山市

2017年11月10


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Road Map :R53を日本原から県道450号線に入り声ヶ乢まで行けば登山口の駐車場がある。
Route Map:声ヶ乢登山口から広戸仙を超えてあがけ峠まで下り、ふるさとコースを周回する。はずだったが・・・
岡山県の山』  縦走路は問題無く歩けたが、優しい名前が付けられた ”ふるさとコース”は超難路だった。
ヤマケイ・オンラインから
  広戸仙は岡山県津山市の北東に位置する山で、山名は旧広戸村の地名から、こう呼ばれる。
別名は爪ヶ城で、別名の由来は、西方から見ると爪先のように見える説や、かつて砦があり、
最後の拠点、俗に詰ヶ城が転じたものという説がある。
広戸仙のふるさとコース
  ふるさとコースが何年前に出来たのかは知らないが、このコースが出来た当初はふるさとコースの名がふさわしい歩き易い道だったのであろう。現在の状況は登山道が不鮮明な難コースであり、ハイキングコースを思わせるふるさとコースの名は変更した方が良いと思う。整備をしない限り、登山道はますます悪化していくだけだろう。
道見失い
  毎回、山に行くたびに道間違いをしているので、今回こそ道間違いをすること無く周回したいと思っていたが、道間違いでは無く、同様ではあるが道を見付けられなくなってしまった。 多分、すぐ近くに何らかの次の目印があるのだろうが、それを探している内に2回も滑落しそうになったので、安全策でエスケープしてしまった。 その時間的な代償は大きかったが、安全に帰ることは出来た。次は逆回りして登山道の確認に行ってみたい。
広戸仙 (1,115m)
山歩きはしたくなかったが、登ったことがない山でモミジ狩りが出来て滝見が出来る山を検索してみると、広戸仙が出てきたので、紅葉が終わらない内に行ってみることにした。
ひろどせん
広戸仙までの登り:1時間52分
  あがけ峠までの下り:42分
  ふるさとコースを津山ダムまで:4時間30分
  舗装道を歩き:1時間29分
  歩行累計時間:8時間33分
声ヶ乢へ向かう途中の県道450号線から見た ”広戸仙”は良い天気であるが、ここまでの平地部は濃い霧で覆われていた。
声ヶ乢は ”広戸仙”への登り口であるが ”山形仙”への登り口でも
あり、'12年6月にここから ”山形仙”に登っていたのだった。
初めて来たと思っていた声ヶ乢であるが、何か見覚えがある。
登山口にあった簡易地図。目的は滝巡りであるが、まずは山頂を通っ
てあがけ峠まで下り、そこから滝見巡りに入りたいと考えている。
放射冷却で気温は2℃まで下がっていた。
日差しがあるので寒くはなく、軽装で8時16分から歩き始める。
紅葉、黄葉を愛でるには季節的に遅過ぎた様で
黄葉した葉っぱが登山道に堆積していた。
遊歩道の様に整備された歩き易い登山道を登り始める。
逆光気味で写りは悪いが、平野部は一面濃い霧に覆われていた。
雲海と呼びたいが雲海的なもこもこした感じではなかった。
登山道からは終始展望が良く、お隣さんの ”山形仙”が常に
見えていた。 台風21号にも耐えた見事な紅葉樹があった。
”第一展望所”を過ぎると勾配はややきつくなってくるが、
歩き易い道は継続していた。
39分程登ると ”第一展望所”に着くが、周囲の樹木が茂り、
ここからの展望はほとんど得られなかった。
水場へはしっかりした道が付いていた。
水場への表示が出てきて ”30分”と書かれていたので、
参考の為に見ておきたかったが、この寒い時期に水場を
見てもしょうがないので割愛しておく。
56分にて ”第二展望所”に着く。 ”第一展望所”とは
違い広々とした展望の良い所に休憩東屋が建っていた。
”第二展望所”へは登山道からそれて、左に曲がる様になっていた。
倒木が道を塞いでいたが、通るには支障はなかった。
展望が良いと言ってもこの程度。 お隣さんの ”人形仙”の方がまだまだ標高が高い。
”第二展望所”の奥には ”ふるさとコース”(滝巡りコース)の
始まりである西入口があり、順調に歩くことが出来ればここに
戻って来る予定である。
台風21号がなければ見事な黄葉が見れたかも知れないが、
ほとんどが落葉してしまっていた。
くさりの助けを必要としないくさり場を通過する。
”山形仙”が低く見える様になってきた。
平野部の濃い霧に反して山間部は雲ひとつない晴天が続いている。
平野部の濃い霧も切れてきて自衛隊の演習地である
”日本平”も一部が見えて来た。
滝山、那岐山方面の山も見える様になって来た。 この登山道は縦走コースであり、
その気になれば ”那岐山”まで歩いて行けるのだ。(その気にはならないけどね!)
”広戸仙”と思われるピークが見えて来た。
高台に出ると道標が示した反対方向に展望所がある匂いがした。
この岩の奥に展望所があるのだが何の表示もされていなかった。
展望所からは絶景で手前に800m級の山が並び、その奥には千m級の山が並んでいた。
特筆する山容の山が無く、知っている山も無かった。
展望所から北方向を見れば台形の ”広戸仙”が近くに見えた。
登りが結構続いたのでこの先は山頂かと思ったが、
そう甘くは無かった。
登山道に戻り、尾根筋を登り続けて行く。
1時間39分にて ”第3展望所”に着く。 ”声ヶ乢”に続いて、この展望所は過去に来た
様な記憶がある。 帰宅後調べてみると'07年10月に滝山から第3展望所まで縦走して
ここで引き返しているのだった。 そんなことは記憶から消えてしまっていた。
第三展望所から見た ”滝山” 今では考えられないが若い時にはあんな遠くから縦走して来たんだ。
快適な道が続く。
”第三展望所”からは遠くからも見えていた
比較的フラットな箇所を進んで行く。
1時間52分にて ”広戸仙”(1,115m)に着く。 簡易地図は地面に倒れていたが、
起して写真を撮った。 ”広戸仙”は初めて登る山と思っていたが、前回は別名の
”爪ヶ城”として登っていたのだった。 山頂に2つの名前があるのでややこしい。
遠くからも見えていた山頂部の台形の
登りに差し掛かると山頂は近い。
実際の山頂には古びた表示が立っていた。
”広戸仙”の実際の山頂はこの岩の上となるので上ってみる。
山頂から濃霧が切れてきた日本平を見る。
空中湿度が高い影響か見通し悪く写真にならない。
山頂から ”滝山”を見るが、あんなに遠くから往復した頃もあったんだ。
縦走路に戻り ”あがけ峠”に向けて下っていく。 なんと快適な登山道か!
振り返り ”広戸仙”の山頂とお別れする。
この先からは山頂は見えなくなってしまうだろう。
快適な縦走路に台風21号の影響と思われる倒木が何度も出てくる。越えられないことは無いが、何度も出てくるのでうっとうしい。
何度も出てくる倒木に邪魔される。
うっとうしい倒木を除けば快適な道が続く。
台風の風当たりが強かったのか、まったく葉っぱが残っておらず、
冬枯れになってしまった樹林帯は日差しを得られて快適だ。
振り返り下って来た登山道を見る。
2時間34分にて ”ふるさとコース”の東入口となる ”あがけ峠”に着く。 道標は全て台風に倒されていたが、判らないことはなかった。
滝山への縦走路の最鞍部である ”あがけ峠”が見えて来た。
下山して来た縦走路に対してUターンする様に ”ふるさとコース”に入って行く。道としてはかすかな踏み跡しかないので不安になる。
どこもが踏み跡に見えて、どこもが踏み跡で無い様な所に迷い込む。
しばらく進むが、踏み跡が完全に無くなってしまったので引き返す。
登山道らしい道を見付けることが出来た。
この程度の明瞭な道が付いているのなら問題は無いのだが・・・
相変わらずに倒木は多く出てくる。
雨水で道が流されているのと、そこに落ち葉が堆積
しているので又もや踏み跡が不鮮明になってきた。
滝名の表示があったので自分がどこまで進んでいるの
かが把握出来た。 しかし、滝名の命名者を記載する
この売名行為にはなんじゃ! と思ってしまった。
踏み跡を探しながらトラバースして行くと、看板の立っている谷間に出た。
前方にくさりが張ってあるのが見えるが、手前にもくさりがあり、
手前のくさりは全て流されていた。
案内板を挟んで奥にも滝らしいものがあり、こちら側には
水が少し流れていた。 どちらが ”静かの滝”なのかが判らない。
滝名の ”静かの滝”の名の如く、水は一滴も流れていなかった。
一昨日に雨が降ったので期待して来たのであるががっかりである。
雑木林に入ると登山道はかなり鮮明になった。
こんな道が続いて欲しいと思ったが・・・
赤丸印は意味合いが判らないが定期的に出てくる。
それに加えて赤テープと黄色のテープも頼りになっている。
残っているくさりも流木に流されていたが、
かろうじて踏ん張っていた。
”ふるさとコース”と書かれた道標も定期的に出て来るが、このコース
が出来た時はいざ知らず、コース名からは遊歩道的なハイキングコース
を連想してしまう。 現在のコースは道が不明瞭で崩壊個所が多い超難
コースである。 このコースに入ってしまったことを後悔しています。
尾根筋を下って行くが、ここは登山道としてはっきりしていた。
ヒノキの樹林帯に入ると落ち葉の堆積で道が判らなくなってしまう。
時折、スポット的に紅葉も見られたが、慰めにはならなかった。
斜面をトラバースする道となるが、登山道として
成り立っていないので、滑り落ちそうで怖い。
滝とは言えない程の小さな滝があった。
マムシグサの実
谷間の広い河原状の所に出ると登山道、踏み跡が消えてしまった。
古びた赤テープが所々にあったので進むべき方向が判って助かった。
コケがきれいに育っている場所であるが、そんなのを眺めている余裕はまったく無かった。
赤テープの目印がなければ進むべき方向が判らず、迷走していただろう。
トラバース路に長いくさりが張ってあり、通過してから振り返り見るが、登山道が
雨水に流されて斜め下を向いおり、そこに落ち葉が堆積しているので、くさりが
なければ怖くて危なくて通過出来なかったかも知れない。
倒木に隠れた小さな滝があった。
路面の緩んだトラバース路は怖いよー
4時間12分にて ”布引の滝”(落差25m)に着く。
これで地図上の現在地が判るのであるが、ふるさとコースに入ってから1時間38分も歩いているのに、まったく進んでいないことに驚いた。
無名滝の前を通過する。
”ふるさとコース”の滝群は元々有名ではないので規模は
小さいと思っていたが、想像以上のがっかりであった。
踏み跡は無いに等しいが、雰囲気だけで進んで行く。
又々、登山道は不鮮明になってきた。
尾根筋に入ると登山道がはっきりしてくれる。
樹林帯で展望の無い道が続くが、たまに隣の山が見えてくれる。
見栄えのしない黄葉が少し見られた。
”ふるさとコース”で一番の難所かも知れないくさり場を通過する。
足元が悪く、下は垂直に近い崖なので通過には緊張した。
くさり場は更に続いており、くさりを頼りにしないと危なくて歩けない。
崖下を覗き込むのも恐ろしい!
5時間09分にて、”ふるさとコース”に入ってから
2時間35分にて ”せせらぎの滝”(落差20m)に
着く。 相変わらず足取りは遅い。
谷筋に表示版が見えて来た。
上流側に上ってみても、こんな渓流が続いているだけだった。
すぐ横には ”シャクナゲの滝”も流れ落ちていたが、
これも貧相な滝だった。
”せせらぎの滝”は滝とは言えない渓流が続いているだけで
高さではなく長さで表示した方が良さそうなせせらぎであった。
登山道を見失う。 ”せせらぎの滝”の横には ”ふるさとコース”の道標が立っていたので示された方向に進んだのであるが、どこを見ても崖っぷちの場所に出てしまった。 道間違い時での鉄則である元の場所に戻って仕切り直しをしたが、登山道、又は道らしいものが見当たらなく、逆にどこも踏み跡に見えてしまう。 登り方向なのか? トラバースなのか? 下り方向なのか判らず、何度も元の場所に戻って仕切り直しするが、2度も滑落しそうにもなったので、登山道を探すのは諦めて沢を下ってしまうことにした。 沢を下れば津川ダム湖に出ることは判っているが、果たしてそこまで行けるのであろうか?  津川ダム湖には道が通っているのだろうか?
心配の種は尽きないが、滑落が怖いので行ってみるしか仕方がない。
沢沿いに下っても赤テープも道標も出てこないので、これを下り続けるべきでは
ないと判るが、今、一番助かる方法はこれしかないと信じて下り続ける。
小さな滝も出て来るが、今の心境は滝見どころではない。
滝なんてどうでも良いと思っているのに
次々と滝が出て来る。
どこでも歩ける広い沢が続き、今の所、危険個所も無く淡々と下って行く。
今回の様なエスケープでなければ素晴らしい所だとは思う。
砂防堰堤が出てきたが、高巻きすることが出来た。
舗装道路が見えて来た。 これで無事、下山することは出来たが、
”声ヶ乢”までどれくらいの距離があり、車に戻るのに何時間掛かる
のであろうか?
杉山ダム湖畔には道路が通っていてこれも助かった!となる。
津川川は渓谷になっており、モミジの紅葉が沢山見られたが、
寄り道する時間の余裕と心の余裕が無かった。
紅葉の名勝地に行かなくても湖畔道路沿いに
綺麗な紅葉を見ることが出来た。
道路から ”津川ダム”を見ることが出来た。
県道450号線への入口にあった道標の距離を見てがっくりした。
しかも県道は ”声ヶ乢”への峠までの上り道になる。
湖畔道路に出てから県道450号線の分岐まで36分掛かった。
分岐から ”声ヶ乢”までは3.5kmあるらしいので更に
1時間の歩きが必要となる。
舗装道路を歩くこと1時間29分にて ”声ヶ乢”の駐車場に戻ること
が出来た。 自分が選んだ危険回避策としはどえらい遠回りをしてしま
った。
途中、お寺への道に入ってしまう道間違いをして大きくカーブした
グネグネ道を上って行く。 久々の山歩きなので足腰が疲れてきた。
”ふるさとコース”(滝見コース)に入る。
標高差:607m(登り)
標高差:836m(下り)
累積標高差:2,040m