標高差:1,738m
山梨県南アルプス市芦安芦倉
Road Map :中央道を須玉I・Cで下りて、青木鉱泉に向かう。
Route Map:青木鉱泉を基点にドンドコ沢を登り、地蔵岳、観音岳を経由して薬師岳から中道を下山する。
コースタイム:11時間17分(オベリスク登攀、昼休み時間含む)
登り:6時間53分、下り:3時間31分
前日の移動
前日の16時過ぎに青木鉱泉に入り、登山口をチェックしてから駐車地を探す。青木鉱泉の駐車場は
750円、日帰り温泉は千円、どちらも使いたくはない。 中道からの林道から青木鉱泉へ沢渡りのショ
ートカットコースがあり、ここに1台、車が停まっていた。 ここから青木鉱泉のトイレまでは5分程
の距離、ここで車中泊とする。
地蔵岳(2,764m)
薬師岳(2,780m)
時間潰しの山のつもりだったが・・・
白峰三山、北岳〜農鳥岳を小屋泊まりでの縦走を予定したが、3連休では山小屋の混雑が予想されるので、鳳凰三山の日帰りを組入れた。
地図上の距離だけで簡単な山と判断してしまい、意外な標高差に苦しむ。地蔵岳に行ったなら絶対に ”オベリスク”のてっぺんに立ちたいと思っていたので、今日はそれが適えられて大満足で終える。
人との出会いが楽しかった
前半はメタボ風オヤジと、中盤は橋本さん御夫婦と、そして下山は三重のあんちゃんと喋り続けの山歩きとなった。 みなさん、御付き合い願えて有難う御座いました。
又、どこかの山で会いましょう。
足は完全に壊れた
前座の山で足を壊してしまい、本ちゃんの ”北岳”に登れるのかどうかが心配である。 温泉にゆっくり浸かって疲労回復するつもりであったが。
奈良田に移動する
奈良田は青木鉱泉から鳳凰山の反対側で直線距離は近いのであるが、道路は身延まで出て大きく遠回りする必要があり時間が掛かってしまった。
3連休初日であり ”青木鉱泉”の広い駐車場は満車状態であった。
ここの駐車場は750円と高いので意地でもこの駐車場を使いたくなく、周辺の適当な空地を探す。
明日は早朝、暗がりの中での出発になるであろうから
登山口を前日の明るい内にチェックしておく。
風情の良い ”青木鉱泉”の建屋。 日帰り温泉は千円と聞くので
高過ぎて俺は入浴することは無いだろう。 この手前にキャンプ場が
あり、車横付けでテントが張れる様になっていた。
2本目の仮橋はしっかりしており安心して渡れた。 対岸に出て道成り
に進んで行くと ”青木鉱泉”の前は通らずに林道を進むことになり、
前日の登山口チェックは無駄となった。 林道に入って直ぐにヘッデンを付けた28名のジジババツアーに遭遇し、挨拶をして抜いてしまう。
林道からのS・Cコース入口で車中泊をしたが、星が出ている晴天なの
に冷え込みはなく早朝の気温は8℃だった。 5時05分、真っ暗の中をヘッデンを付けて出発する。 まずは前日チェックしておいた幅広い
”小武川”を渡るが1本目の仮橋はグラグラで危うい感じであった。
昼間は工事用トラックの往来が激しいのかハイカーは
鉄パイプ柵内を歩く様になっていた。
この先で堰堤工事をやっているらしく林道は歩行者規制がされていた。 先行者は埼玉からのメタボ風オヤジで、抜きつ抜かれつで
”鳳凰小屋”まで一緒する。
上方を見てもまだ急斜面の中、ジグを切った道が続いている。
中々の急斜面を小さくジグを切って登って来た。
振り返り、その斜面を見る。
約1時間、急斜面を一登りすると水平道となる。
このコースは ”ドンドコ沢”沿いに登るものと思っていたが、
”ドンドコ沢”は見えない位に遥か下方となっていた。 期待外れ!
雰囲気の良い水平道が続く。
メタボ風オヤジに付いて行けない自分の体力が情けない。
枝沢からの小さな滝が目を楽しませてくれる。
この滝は結構大きかったが ”無名滝”だった。
大きな枝沢を何度か渡渉する雰囲気の良い道が続く。
先行するメタボ風オヤジに追い付かない。
ハイカーが2人居たので写真の撮りっこをする。
山友に教えて貰って購入した土方用のタオル鉢巻き(350円)は
汗止めと首筋の日焼け止めの機能は抜群であったが、
見栄えがイマイチである。
1時間35分にて落差50m程の”南精進ヶ滝”に着く。
山を隔てた ”精進ヶ滝”が日本の滝百選に選ばれて
いるらしいが、この滝も水量多く見応えがあった。
分岐に戻り、登って行くと大きな岩峰が見えたので撮ってみた。
更に登り続け分岐から登山道を離れ、往復15分程の距離にある
”鳳凰ノ滝”に向かう。 パッと見、左側の滝しか見えないが、
沢に入り奥に進むと右側に落差60m程の滝が見える様になる。
ちゃんとした写真を撮るには沢を渡る必要があるので割愛した。
グループなのか個別なのか判らなかったが、
展望の良い広場に沢山のハイカーが休憩していた。
3時間13分にて落差20mの ”白糸ノ滝”に着く。
水量が多く、末広がりの滝は見応えがあった。
ペースが同じとなった横浜からの御夫婦と山談義をしながら一緒に登る。旦那は日本百名山を終えており、奥さんは鳳凰山が93山目らしい。
”白糸ノ滝”からはしばし水平道となるが、長くは続かなかった。
3時間28分にてドンドコ沢で一番の美滝と言われている
落差50mの ”五色滝”に着く。
紅葉も少し進んでおり、見応えのある滝であった。
4時間18分にて ”鳳凰小屋”に着く。 ここで横浜の御夫婦はコーヒー(500円)を飲むと言うので付き合う。 旦那が「有名人と出会えた!」と言い出すので何のことか判らなかったが、俺のことらしい。 ここまで山談義をしながら登って来たが、その時に薄々HPを出している俺に感付いていたらしい。 我がHPを参考に日本百名山を完登したとか。
強く嘆願したが、奥さんは記念撮影には入って貰えなかった。
やっと前方に ”オベリスク”が見える様になってきた。
白砂の急登であるが、踏み出した足がバックすることがなく助かった。
晴天下、青空と紅葉、白砂のコントラストが抜群の美しさを出して
いるが、登りが辛くて景色を愛でる元気が無い。
出合のサプライズで ”鳳凰小屋”で21分程休息し、水を充填して
再び登り始める。 小屋までで相当足に来ていたが、
長い休息をしたので足が動かなくなってしまった。
おいらの体は長い休憩をすると足が動かなくなることが多い。
振り返ると定番通りにガスが上がって来た。
俺が ”オベリスク”に登るまでもう少し待ってくれ。
前座の簡単なハイキングのつもりが思わぬ苦戦を強いられている。
”オベリスク”が待っていてくれているが、果たして
てっぺんに登る元気が残っているであろうか?
やっとお地蔵さんが待っている ”地蔵岳”(2,764m)に着いた。
”地蔵岳”の最高峰は ”オベリスク”のてっぺんであるが、一般的
にはここで ”地蔵岳山頂”としている。 橋本さん御夫婦は
”オベリスク”には登らないと言うので、残念ながらここで
お別れとなる。
橋本さん御夫婦に引張られる様に着いて行く。
それにしても奥さんは強い。
ガスが上がって来ない内に ”甲斐駒ヶ岳”方面の写真を撮っておく。
山での写真は撮れる時に撮っておくのが鉄則である。
さて、本日の目的である ”オベリスク”登攀が出来る時がやってきた。
順番待ちのハイカーが沢山居ると思ったが、聞いてみると 「見てるだけー」のギャラリーらしい。
最初、正面の岩に取り付くが、上の順番待ちの人から 「そこからは登れない」との
アドバイスを受けて、アドバイス通りに左側に回り込む。
ロープ場直下に着いた。 幸い先行者1人が登っているだけで順番待ちは無い。 先行者を下から見るとハーネスを着けていた。 明らかにR・C経験者だ。 そんなにレベルが高いのか?「登りまーす!」と声を掛けていよいよアタック開始、クラックに沿って登るが右側には小さいステップが切ってあり、左側は一枚岩。
腕力だけで登り切ってしまう。
左側に回り込むが登れそうな岩が見当たらない。
すると、まさかの狭い岩の隙間から人が出てき
た。 腹、背中を擦りながらこの狭い岩の隙間を
通り抜ける。 ここでオベリスク登攀の体重制限
をしている感じすらした。
俺はてっぺんにのんびり座っているが、三重から
来られたあんちゃんは、しっかりとビレイを取っ
ていた。 俺の登りを見ていてしっかり登ってい
たと誉めてくれたが、本当?
てっぺんには5名が居たが、ババァが2人居たのにはびっくりした。
写真の御夫婦は明らかにクライマーで、エイト環を付けて自ロープで
垂直下降で降りて行った。 三重のあんちゃんと
「垂直下降やりたいよなー」と話しする。
なんでこんな所にババァが居るのかと思ったが、ババァが下っ
て行くのを見るとカラビナで確保しながら降りて行った。
彼女達はR・C経験者なのだろう。 失礼しました。
てっぺんから ”賽ノの河”を見る。 横浜の御夫婦が見ているかも知れないと
思い、適当に手を振るが、どこに居るか判らない。 嬉しいことに下から登攀を
見ていて写真を撮って頂いた。 一人で来たので、これは貴重な写真となった。
再度 ”駒ケ岳”も見ておく。
いい感じでガスが上がって来た。
憧れの ”オベリスク”のてっぺんに登れたのだから展望を
充分に楽しんでおく。 明日の今頃は ”北岳”から
”オベリスク”見ているはず。
”農鳥岳”にも行っちゃうから待ってろよ。
こちらは登り終えてから俺が撮った写真。
山友が居ればこんな写真が一杯だったのに、
最近は誰も遊んでくれない。
横浜の橋本さんが撮ってくれた俺に取って貴重な写真。
アタック中と登り終えた2枚の写真を送って頂いた。
”賽ノ河原”付近から鳳凰三山最高峰の ”観音岳”を見る。
前回、夜叉神峠から登った時は観音岳で引き返したが、地蔵岳から見る
観音岳への登り返しがきつく、あの時、引き返したのは正解だったと思う。
さよなら ”オベリスク”。 2度と来ないからねー!
沢山の仏像が並び殺伐とした ”賽ノ河原”に着く。
ガスがどんどん上がってきたが、”オベリスク”で
晴天だったので後はどうでも良い感じ。
”鳳凰小屋”への分岐点を通過する。
”観音岳”へはまだ40分も掛かるのか。
最初のピークに登って ”観音岳”への尾根道を見る。
”燕岳”に似たイルカに成り掛けの岩が多く、高山帯の
大展望登山道であるが、既に足は疲労で動かなくなってきた。
”観音岳”への登り途中から ”地蔵岳”を振り返り見る。 白砂の山が最高。
若い女性ハイカーに ”燕岳”に似ているねと話し掛けると、彼女も最近 ”燕岳”に登り同じことを
思っていたらしい。 話しは弾むかと思ったが、彼女は休憩に入ってしまいお別れに・・・残念でした。
7時間32分にて鳳凰三山最高峰の ”観音岳”(2,840m)に着く。
休息時間、オベリスク登攀時間を除くと6時間53分となるが、
それでも時間の掛かり過ぎだった。
”観音岳”の登山道も大好きな雰囲気で大満足。
でも足は動かない。
”観音岳”の本当のてっぺんはこの岩の上。 岩陰に入り昼飯とする。
休憩している時にはストックは手元にあった。
山頂で15分程、休憩して ”薬師岳”に向かう。 気が付くと手元にストックが無い。
昼飯の時か途中、GPSの電池交換をしたのでその時なのか判らない。 探しに戻っても
残っているか判らないし、そんな体力も無い。 ”稲村ヶ岳”でストックを折ってしまい、
購入してまだ2山目であるが、こんなことを想定して購入した1,280円の安いストックなので
惜しくはない。 山にゴミを残したのは反省点である。
”薬師岳”の本当のてっぺんはこの岩の上なのだが、
今日は登る体力が残っておらず、割愛する。
”観音岳”を振り返り見る、最高の展望だ。 横浜の御夫婦に再会出来、”オベリスク”の話しなどをしながら
一緒に下山する。
”中道”は展望のまったく利かない樹林帯で、木の根っこが滑り易く、
気が遠く成る程、距離があった。 途中にあるのは ”御座石”だけで、
これも大きな岩があるだけでまったく面白くない。 只、3人で喋り続け
たので気は紛れた。 3人共、何度も滑って転ぶが大きなケガはなかった。
8時間09分にて ”薬師岳”(2.780m)に着く。
しかし、ここがてっぺんでないのは一目で判る。 ここで
”オベリスク”のてっぺんで会った三重のあんちゃんと
再会し、一緒に ”中道コース”から下山する。
”薬師岳”から3時間を要して林道に出る。 今日、共に退屈な ”中道”と戦った戦友と記念撮影をする。 左の彼が年寄りの俺を小馬鹿にしてくれて、それの会話が逆に楽しかった。
橋本さん御夫婦とも合流し、ここから林道を駐車地まで30分歩き車に戻る。
無理やり話し相手にされた静岡からの親父。 ベンチをバス停から借りて来て、焼酎のお湯割りも御馳走になりながら、キノコ採り、イワナ釣りの話しを聞かせて頂く。
今日は最後まで人との出会いであった。
今日の温泉
奈良田にある奈良田温泉に入るのが楽しみだったのだが、鳳凰三山が予定より時間が掛かり、奈良田の駐車に着いたのは19時前になってしまった。
早速、入浴の準備をして駐車場で晩飯を食っていたおじんに奈良田温泉の場所を聞くと、「この上だが町営だからもう終っているよ」と言う。 がーん!18時までらしい。
下の温泉も終っていると言う。 明日から小屋泊まりでお風呂に入れないのに、これは辛い。 今日も山小屋泊まりと思えば済む話しであるが、温泉で足の疲れを取りたかった。
おじんに晩飯を御馳走になる
お釜で炊いたごはんが沢山あるからと、無理やり飯を食って行けと強姦される。
折角、コンビニでお弁当を買って来ているのに、それは置いておいて御馳走になる。 キノコ採りとイワナ釣りで何度も奈良田に入っているらしい。 キャラバンの中は
キャンピングカー状態になっていた。 お歳を聞くと俺より一つ若かった。
どう見ても俺よりおじんに見えるのだが・・・
2011年度の南ア遠征
10/09 10/10 10/11
鳳凰山 → 北岳 → 間ノ岳、農鳥岳
10月8日、登山当日。
奈良田の駐車場にて
ほうおうさん
人が降って来るかも知れないのに、
直下で見学するギャラリー達。
路肩駐車地から登山口まで渡渉予定の河川敷もチェックしておく。
”白糸ノ滝”は滝壺まで行くことが出来たが、これ以上近付くと
水飛沫を浴びてしまうので程々にしておいた。
2023年12月24日改定