標高差:1,400m

2009年08月14日(当時60歳)


日本二百名山に戻る

長野県大町市平
信州山岳ガイドから
  頂上をきわめる前、そして登頂後、必ず通過するのが標高2,541mで、峠では北アルプス最高所の針ノ木峠である。 南アの三伏峠(2,580m)に次いで日本で2番目に高い。 この山をさらに有名にしたのが北面に残る大雪渓で、白馬岳、剣岳と並び日本の三大雪渓の一つとして知られている。
Road Map :長野道の豊科I・Cで降りて、パノラマロード、大町アルペンラインで扇沢の駅駐車場へ。
Route Map:扇沢登山口から大沢小屋、大雪渓を登って針ノ木峠へ。ここを基点に針ノ木岳、蓮華岳を登る。
日本二百名山』 眼下に黒部湖、目の前に剱岳が聳える大展望が得られた。 引続き蓮華岳にも登る。

扇沢の駐車場
  扇沢のトロリーバス駅には有料(千円)と無料の広い駐車場があるが、休日は黒部ダム見物の観光客で満車となってしまうので、無料駐車場に停めるには夕刻の時間帯を狙う必要がある。 今回、見た限りでは早朝(5時)では無料駐車場は満車で、有料駐車場には開門待ちの長い列が出来ていた。

155〕針ノ木岳 (2,821m)
針ノ木小屋に戻る
 5時間31分にて小屋に戻る。 山頂からの下りは30分程だったので登り時がバテバテだったのが良く判る。 今日は1.8Lの水を持って来ていたが既に飲み干してしまい、小屋で200円/Lの水を買う。 水を買うのは初めてであるが、まったく高いとは思えず、逆に買えるだけ有り難いと思ってしまった。
シームレスに ”蓮華岳”に向かう
 小屋周辺でゆっくりと休息している人を尻目に ”蓮華岳”に向かう。
扇沢登山口 大沢小屋 雪渓取付 針ノ木峠 針ノ木岳
5:51 6:52 8:10 9:29 10:36
針ノ木岳 針ノ木峠 蓮華岳 針ノ木峠 雪渓取付 大沢小屋 扇沢登山口
11:02 11:42 12:45 13:38 14:30 15:38 16:47
コースタイム:10時間56分(休息時間含む)
下り:3時間57分(蓮華岳から)
登り:4時間45分(針ノ木岳まで)
単なる ”湧き水”の名称ではなく、渓流瀑として滝名を付けて
欲しかった。 飲んでみると冷たくて美味しい水だった。
展望の利かない樹林帯から時折、沢渡りのある登山道は ”新穂高”から
”槍ヶ岳”に向かう登山道と雰囲気が良く似ていた。 お花は地味なのが
多かったが、ここには綺麗な ”シモツケソウ”が咲いていた。
下山時には扇沢駅には10台程の大型バスが停まっていた。
駅前の駐車場は有料300台、無料450台と広いが、朝6時前には
満車状態になっていた。 トイレは有料駐車場の一番駅寄りに有。
昨夜からの小雨は朝まで降っていた。 半泣き状態でカッパを着て
登山準備をしているとパーっとガスが切れた。 昼から晴れると言う
天気予報を信じてカッパを着ずに出発することにした。 この駐車場
から歩いて10分程の ”爺ヶ岳登山口”に向かうハイカーも多く居た。
無料駐車場から3分程の距離に登山口があった。
5時51分に出発する。
登山道を歩き出して9分程で舗装道路に出る。 道路を横断して直ぐに
登山道に戻るが、その後も3度、舗装路を渡る。 登山道は樹林帯の
中で展望の無いフラットな道が続く。 ブナが多いが下草が茂って
おり癒し感は少なかった。 前半は前日からの雨で泥道が多かった。
47分にて ”湧き水”と表示された沢に着く。
”赤沢”の橋の上から ”スバリ岳〜赤沢岳”の尾根筋を眺める。
天気は良くなってきた。
1時間で ”大沢小屋”に着く。
ここにはレンタルアイゼンが用意されていた。
”大沢小屋”からもしばし樹林帯の道が続き、沢の上方を歩く様に
なると展望が開けてくる。 沢沿いの道は小さいアップダウンを繰り
返して登っていく。 対岸に細長い ”白糸の滝”(仮称)が見えた。
 ”針ノ木大雪渓”が見えてきた。
先行者2人はここで休憩し、それを抜いてしまったのが、この後の道間違いに繋がった。
振り返ると不気味にガスが上がってきた。
又、このガスに包まれてしまうのか。
”大雪渓”の方ばかりを見ていて目の前の橋を見逃し、踏み跡を追って
左岸をどんどん進んでしまった。 ガレ場に入ってしまいおかしいと対岸に目をやると、ハイカーがそっちでは無いと合図を送ってくれた。
元の場所に戻ってみると間違いの無い様な所に橋はあった。
これで15分のロス。 3組のハイカーに抜かれてしまった。
橋を渡り右岸を歩くのが正解であった。
”針ノ木大雪渓”に入る。 北アルプスの三大雪渓を歩くことが今回の楽しみであったが、
今年は雨が多く、雪渓は痩せているとのことだった。 しばし、雪渓沿いに夏道を登り、
2時間19分の地点でアイゼンを着けて雪渓に入る。 雪渓は適度に締まり歩き易かった。
気温は18℃であったが、雪渓上部から4℃低い冷たい風
が吹き降ろして来て涼しくて気持ちが良かった。
大した斜度ではないと登っていたが、振り返って見ると、
滑落するには充分な斜度であることが判った。
ガスは雪渓の冷たい風に阻まれて上がって来れない様だ。
”針ノ木峠”への斜面にはジグを切った歩き易い道が
整備されているが、この登りでバテてしまう。
約20分で雪渓歩きを終えて夏道に戻る。 ここからはまだ
”針ノ木小屋”が見えていない。 この先を左に曲がり込んで
登って行く様だ。
3時間38分にて ”針ノ木小屋”に着く。
この峠で一挙に北アルプスの大展望が得られた。
”針ノ木峠”に建つ小屋が見えてきた。 峠までは登山道が
整備されていなければ登れない程のザレた急斜面であった。
見慣れていない方向から北アルプスを見る為、同定に苦労する。
判らない山は小屋の親父に教えて貰った。
ここからは ”剱岳”は見えず、”針ノ木岳”に登らないと
”剱岳”は見えないらしい。 大展望を眺めながら10分程休憩する。
小屋からの急登をこなして、直下になった ”針ノ木小屋”と対面の
”蓮華岳”を見る。 登って来た小屋左の急斜面振りが良く判る。
尾根筋に出て右の山が ”針ノ木岳”かとビビったが、右の山は
”スバリ岳”で左の山が ”針ノ木岳”と判りほっとした。
北方向を見ると双耳峰の ”鹿島槍ヶ岳”がはっきりと見えて同定出来た。
火打、妙高がガスから頭だけ出していた。 肉眼では ”雨飾山”も見えていた。
登山道は手前の大きな岩峰をトラバースしてくれていたので助かった。
振り返り左下の ”針ノ木大雪渓”、前方の ”蓮華岳”を見る。
”針ノ木小屋”はコルの下で見えていない。
登山口から 4時間45分にて ”針ノ木岳”(2,821m)に着く。
山頂には小屋泊りだと思われるハイカーが沢山休憩していた。
針の木小屋からは約1時間掛かっている。
山頂の西端の岩を越えると ”黒部ダム湖”への大展望が開けた。
目の前には ”剱岳”が聳えており北アルプスの大展望を満喫出来た。
眼下に広がる ”黒部ダム湖”を眺めていると吸い込まれそうになってくる。
山頂付近にはガスが掛かってしまったが、右端が ”剱岳”で左 ”立山”へと続いている。
逆に'06年8月に ”剱岳”から ”針ノ木岳”を見た時の写真はこちら
”針ノ木岳”の山頂から北アルプスを眺める。 いつもは ”槍ヶ岳”が主役であるが、
ここからでは主役は ”剱岳”であり、”槍ヶ岳”がラウンドマークとなってしまった。
この先の縦走路は大きく下って登り返すと ”スバリ岳”(2,752m)となり、
この尾根の先は ”爺ヶ岳”から”白馬岳”に続いている。
途中に山小屋が多いので縦走してくる人が多い。
山頂で26分、展望を楽しんだ後に下山する。
下山途中で ”針ノ木大雪渓”に落ち込んでいるカールで、
”お花畑”を見るが、たいして花は咲いていなかった。
下山時、”針ノ木小屋”を上から見るとカラフルな
テントが随分増えていた。 小屋の屋根には布団が
干され、今日の宿泊者は気持ち良く寝れそうだ。
はりのきだけ
一際目立っていた ”シモツケソウ”
対岸に流れ落ちていた長大な滝は詳細は不明だが、
かなりの落差を誇っているようだ。
滝全体の一部のズームであるが、
水量もあり見事な滝であった。
”ジンベイザメ”の口の様に雪渓下が抜けている所が
あるので不用意に端を歩かない様にする。
山頂付近を覆っていた朝もやは時間と共に無くなってくれた。
すかり晴れてくれて ”針ノ木小屋”方向が見える様になった。
居残りのハイカーに登頂記念の写真を撮って貰った。
2024年3月17日改定