ジェットスキー用650cc2st2気筒エンジン開発。
400tエンジンから始まったジェットスキー用エンジンは順次、シリンダがボアアップされて、
440cc、550ccと排気量アップで出力アップが計られて来たが、550ccでボアアップは限界となり、更なる出力アップにはボア×ストロークを変更した新エンジンの開発が必要となった。
今現在、振り返るとJS650の開発コードも設計した記憶も残っていない。 自分の設計では無く、他の担当者の設計だったのかも知れない。 しかし、JS650の試作艇を沖縄屋我地ビーチに持ち込み1ヶ月の初期テスト、サーフ耐久テストを行った記憶があるが、何故か写真は残っていない。
その後のジェットスキー用エンジン開発は覚えているのだが。
独占市場であった水上バイクの世界にも他社が競合艇の開発、販売を初めて、
そこに米国メーカーまで出て来て、性能競争の幕が開いた。
その第一弾であるJS650に関する記録も写真も残っていないのは何があったんだろう。 走航テスト、耐久テストを沖縄で行ったことは覚えているが、写真が
一枚も残っていないのが不思議である。 どこかにまとめてしまってあるのかも知れない。
JS650エンジン開発
スタンドアップ用に開発された650cc2気筒エンジンはランナーバウト、ハンドル固定型
X−2にも塔されて、ジェットスキーの船体バリエーションに大きく貢献した。
”JS650SX” スタンドアップの船型もJS400シリーズからサイズアップされ全体に少し大きくなった。
”JS650TS” 2人乗りのランナーバウトにも650tエンジンが搭載される。
最大のジェットスキーの市場である米国では、家族で乗れる2〜3人乗りが主流となって行く。
JS550用エンジン搭載から始まった独特の船体カテゴリーである ”X−2”にも650tエンジンが搭載された。 ”X−2”はJS650のハルにハンドル固定、2人乗りに改造された小型ボートであり、操安性はすこぶる良かった。 しかし、乗り込み性に大きな問題があり、岸から乗り込むには問題は無いが、水中から乗り込むのは至難の技となり、2人が乗り込むには、2人共に曲技団的なバランス神経が必要だった。 しかし、乗り込んでしまえば、前述の様にすこぶる操安性が良いので多くのファンに支えられ、後年、再販までされる様になった。
体格があり、体重の思いアメリカ人には乗りこなせなく、米国ではまったく売れなかった。
誰がエンジン設計をしたのか・・・
当時、ジェットスキー用エンジンを一から設計出来る2〜3名程しか居なかった。おいらの設計で無ければ誰が設計したのか、記憶が無いのが辛いところである。
JS400ベースのエンジンから大きく替わったのは
ボア×ストロークの拡大と共にリードバルブ吸気である。
EXマニホールドの完全水冷化は安全規制の関係もあり継承されている。
船体が転倒してもエンジンが廻り続ける様にダイヤフラムキャブの
採用も継承されている。
スタータモータ、ゼネレータも完全防水仕様を採用している。