岡山県備前市東片上
Road Map :R2をJR備前片上駅付近から南進して東片上の富田松山城跡の登り口に向かう。
Route Map:グランドの無料駐車場から富田松山城跡に登り、前山までを縦走往復する。
『岡山100山』 全体としては藪山であるが、所々の展望所からは望海出来た。
西国の山城から
富田松山城は浦上氏の居城とされた山城である。 所在地は、岡山県備前市にあって、播磨灘から
奥行きの長い片上湾の東麓に聳える富田松山に築かれている。
海に面していることもあって、山城の形態と海城の機能を併せ持った城砦と思われる。 この付近には、片上湾を基点に、東方に富田松山城を置いて、西方には茶臼山城、及び田井山城と呼ばれる城砦もあったことから、瀬戸内から攻めてくる防御も設計構築されていたと思われる。
富田松山城跡、前山
前述しているが、今日の目的は観音寺山であったが、岡山県まで来てひと山だけでは勿体無いので観音寺山から直ぐ近くのこの山に来てみたが、予想以上に時間を費やしてしまった。 前山への縦走路はもっと整備すれば良い望海ハイキングコースになりそうなのに、現状のままでは藪扱きマニアだけの山で終わってしまう。
今日の山歩き
観音寺山 → 富田松山、前山。
富田松山 (209m)〜前山 (293m)
今回、富田松山〜前山を選んだのは、観音寺山から近くて望海が出来るだろうとの単純な理由である。
簡単に縦走出来るであろうと思っていたが、想像以上の藪山で予想以上に時間が掛かってしまった。
とだまつやま
登り:1時間56分(富田松山経由、前山まで)
下り:49分(前山から)
コースタイム:3時間01分
標高差:272m
累積標高差:461m
まえやま
12時07分に駐車場から直ぐ近くの登山口から歩き始める。
予備知識無く東片上の集落に入ってしまい、駐車場を探しているとグランド横に
沢山の車が停まっていたので、これが登山口の駐車場と思い車を停める。
登山口の横にあった ”富田松山城址”の説明板。 歴史には興味が無いので読む気にはなれない。
小さな橋も道標もしっかりしている。
登城?の道は流石に良く整備されている。
標高200mちょっとの極低山なので舐めていたが、
結構な登りが続く。
階段道のUターン部分に展望地があったので寄ってみる。
展望地からは北方向が望め、先程、下山してきた”観音寺山”が望めた。
ある程度は同定出来ているが、間違っていると恥ずかしいので同定はしないでおく。
24分程、登り続けて尾根筋の分岐に着いた。
まずは城跡に行き、引き返して縦走路に入る予定とする。
そろそろ尾根筋に着いても良さそうだが・・・
分岐から直ぐ横の ”東出丸”と表示された広場に着く。
城跡に期待するのは展望だけである。
”東出丸”からの展望は眼下に片上湾の見えており、遠くには小豆島が見えていた。
ここからは多島美は山影になってしまっていた。
場所を変えると片上大橋と、その先に瀬戸内の多島を見ることが出来た。
途中の城跡での定番である ”堀切り”や”搦手筋”があったが興味無く
通り過ぎるだけ。 ところで ”搦手筋”とはなんぞや? 調べてみると
城の裏門、敵の背後。 となっていた。 大手門の反対側らしい。
本丸跡は西側のピークにある様なので、そこまで行ってみる。
直ぐに ”三の丸”の広場に出た。 ここにも ”観音寺山”の山頂直下に
あったのと同じ作りのシート覆われた簡易トイレがあった。
ここも気持ちが悪いので中の状態は見ていない。
分岐に着いて、ここから入口裏門と示された方向へ登る。
37分にて ”本丸跡”の山頂広場に着く。 サクラの木が沢山植えられており春には花見で賑わうことと
思われるが、今日は人っ子一人も居なかった。 駐車場に停まっていた車はハイカーのものではなかったのか?
本丸跡には何の形跡も残っていなかったが、360度の展望が得られた。
本丸跡からの展望は東出丸から見た展望と変わらない。 自宅周辺の溜池には太陽光パネルが設置されているが、片上湾にも沢山の太陽光パネルが設置してあった。
日本の風景は太陽光パネルに壊されつつある。
”東出丸”に引き返し ”前山”への登山道を探すことにする。
”東丸出”から見たこれから歩きたい縦走尾根。 正面の露地が ”雨乞い跡地”であり、これを通って行く。
1時間にて ”前山”への鞍部分岐に下り立ち、そのまま真っ直ぐに
”前山”方向の縦走路に入って行く。
ここでは ”下山道”と表示されている道を分岐のある鞍部に下って行く。
展望の無い縦走路を登って行く中で、一部展望が開けたので、振り返り ”東出丸”を眺める。
峠の分岐から10分程登った小さなピークにはボロ小屋が建っていた。
広葉樹に覆われた登山道は予想以上に良い状態で続いていた。
これが ”不動尊”の様であり、ボロ小屋はこれに関連する小屋だったのだろう。
ボロ小屋の中を覗いてみると、裏側に小さな祠が建っていた。
縦走路に入ってみるとそれなりの踏み跡があり、
この後も頼りにした青リボンが随所に巻いてあった。
不動尊まではしっかりした道だったが、ここから先への道が見付からない。
道が無いのであればここで引き返そうかとも思ったが ”前山”までは行ける
はずなので、再度探してみると一郭に青リボンを見つけた。しかし、とても
登山道入口には見えなかった。
登りに差し掛かると元々不明瞭な踏み跡だったので、どこもが踏み跡に見えて
迷走してしまう。 仕方無く、踏み跡を追うのでは無く、青リボンを探すことに
集中することにすると、正しい踏み跡に戻ることが出来た。
コシダが茂り難儀する所も出て来たが、踏み分けて進んで行く。
まったく展望の得られない道が続いたが、望海出来る展望地があった。
展望地からは正面にユニークな形の ”前島”が望め、眼下には ”東備港”の海岸線が見えていた。
”片上大橋”が大きく見える様になって来た。 眼下には ”穂浪漁港”が見えている。
歩き始めて1時間56分、峠分岐からは56分にて ”前山”(293m)に着いた。
山頂は広場になっており、心配していた展望も得られて安堵出来た。
山頂の表示は手作りのこれだけ。 この先も縦走路は続いている様であるが、
鞍部まで下ってからの登り返しになるようなので ”向山”(264m)までは
縦走せずに、ここで引き返すことにした。 後日、知ったことであるが ”向山”
には展望が無いらしい。
”前山”からの望海展望は展望地から見たのと同じ展望なので、この写真1枚に留めておく。
片上大橋の向こうにはカキの養殖いかだが数多く点在していた。
下山31分にて鞍部の分岐に戻る。
登り時には踏み跡探しに苦労して時間が掛かったが、下り時には踏み跡も青リボンも良く見えて、簡単にスイスイと下ることが出来て、半分の時間で鞍部に着いた。
鞍部分岐のしっかりした道標で、ここからは楽な下山と思ったが・・・
雨水で流され登山道なのか沢なのか判らない状態になって来た。
しばらくはハイキング道であったが、この先から登山道は荒れてくる。
荒れた道にしばらく我慢して下っていくと、まともな登山道に戻った。
この後は墓地の横を通り、城跡への登山口に戻る。
雨水で深く抉られて、本来の登山道の両端を歩くことになる。
下山49分にて駐車場に戻り、富田松山、前山を終了する。
今日は日曜日なので駐車場の車の数から多くのハイカーが登っているものと
思っていたが、山中では誰一人とも会わなかった。 この駐車場は、後ろに
見えるグランド用のものであり、野球の練習に来ている連中の車だった。