1970年〜

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エンジン開発履歴』 面白い仕事が舞い込んで来た。
アメリカのホームセンターで販売する子供向けミニバイク用エンジン ”X51”の開発。
  スノーモービル用エンジンを開発している中でミニバイク用100ccエンジンの開発応援の仕事が舞い込んで来た。 エンジンの母体は略出来上がっており、後はエンジン性能アップとベルコンとのマッチングだけの仕事であった。 汎用機エンジンの開発部には評価ライダーなる者が居らずに、
当時、個人的にクロスを趣味としていた小生にキャブセット、ベルコンのセッティングの仕事が舞い込んで来て、社内の小さなMXコースを走り回る。
子供向けミニバイク用エンジン開発。
  同僚が試作したエンジンで、試作エンジンが出来上がってから、エンジンチューニング、キャブセット、ベルコンセットの仕事だけが廻って来ただけなので、このエンジンには深くは携わっておらず、試作後の量産化の話しは聞いていない。
工場敷地内に簡単なテストコースがある。
  川崎重工明石工場の敷地内には900mの直線テストコースと小さなMXコースがあるので、簡単な走行テストは社内のコースですることが出来た。
開発コード X51  ミニバイク用エンジン


  本エンジンで驚いたのがアッパークランクケースとシリンダ、ヘッドが一体鋳造されており、圧縮比を変更出来ないことであった。 試作エンジンだけでもシリンダとヘッドを別体にして欲しかったが、圧縮比を変更するには一体鋳造品を一から加工する必要があった。
98cc/6psのエンジンは非力であるが、子供用には充分と判断した。
チューニングすれば10ps以上は簡単に出せる。
試作1号車なので不足部品多数であったが、走行テストは可能であった。
その後、担当を外れてので量産したかどうかは不明である。
話しは代わって当時、趣味でモトクロスをしており、市販バイクである
”カワサキ90SS”をモトクロッサーに改造、エンジンをチューニングして
全日本MX選手権にも出場していたが、予選を通過するのがやっとの実力であった。
余談であるが当時のマイMX車を掲載する。