2003年〜

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エンジン開発履歴』 チビッ子、レディース向けKX85の4stエンジンを計画する。
KX85エンジンを4st化する計画の依頼が舞い込んで来た。
  応援業務としてKE125のチェンジ機構の設計を行っていたが、それも片付いて暇になった頃、モトクロス車の開発グループからKX85を4st化したKX150Fを設計して欲しいとの話しが舞い込んで来て、小排気量モトクロス車を開発したかったので喜んで引き受ける。
  2001年頃にモトクロスのレギュレーションが排ガス対応と称して、排気量を増した4stエンジンとの混走が認められる様になった。
  250ccクラス  250cc → 450cc
  125ccクラス  125cc → 250cc
    85ccクラス    85cc → 150cc
と、4stエンジンには大きな排気量ハンディが与えられ、H社はいち早く4stエンジンの
CRF150Fを販売していた。

KX150Fは持って来いの仕事だったが・・・
 
モトクロスレース車の開発チームには4stエンジンの設計者が居らず、2stモトクロスエンジン、4stロードレースエンジンの経験者のおいらには持って来いの仕事であったので、喜んで量産までやりたかったが、コスト、重量、メンテナンス性で
2stエンジンでの継続が決まったのは正しい判断と思った。
  これ以後、モトクロス車用エンジンに関わることは無くなった。
KX150Fモトクロスエンジン開発


KX85の4stエンジン化を図る
2005年、先行販売されていたH社の ”CRF150F”。
2022年の価格は50万円を越えていた。
”CRF150F”を写真で見る限りで空冷単気筒シングルカム
の様である。 サンプル車を買っていないので詳細は判らない。
2022年時点での ”KX85”。 2022年度での販売価格は43万円程。
最新の ”KX85”はKX125、KX250と同等の
性能向上アイテムが詰め込まれている。
2000年頃には会社の KX85を借りてのモトクロスごっこが流行っていた。
”KX150F”の設計構想。
  モトクロス車用の4st150ccを設計して欲しいの応援要請を受けて即座に
エンジン構想は決まった。
出力発生部:ロードスポーツ車である ”ZX−6R”の1気筒分を丸々頂き、
            126ps/13,500rpmの1/4で、31ps/13,500rpmを得る
            予定。 乗車により低速よりにデチューンするかも知れない。
クラッチ  :KX125のクラッチを流用する。 KX125のエンジントルクは
            2.7kg・m/11,500rpm。 4st化での予想エンジントルクは
            1.8kg・m/11,000rpmなのでクラッチ板枚数を下げれそうだ。
T/Mギヤ :同じくKX125のギヤ諸元を流用してギヤレシオのみ変更する。
            チェンジ機構もKX125を流用する。
約1ヶ月を掛けて詳細設計まで終えるが、会社の方針はKX85クラスは排気ガス規制が無いので、安価で整備性の良い2stエンジンのままとすることに決まったらしい。 実際のレースではホンダのCRF150Fが優位に立っているが、4stマシンが早いと言うよりライダーが早いだけの感じがする。